burn さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
個人的には好き
この作品について、2ndの中盤まで高く評価される方も多いと思います。しかし、作品全体としての評価が芳しくないのは、中盤以降が盛り下がり気味となってしまい、未消化な部分を残して結末となってしまったからだと思います。
最後には主人公・ハルトが死亡して終わります。
ハルトとヒロインの片方、幼馴染枠のリョーコとの関係が好きだった分、二人がハッピーエンドを迎えることなく終わってしまったのが残念ですが、あえて王道の展開にしなかったのは、ある意味リアリティを持たせたかったのかも知れません。
「半分こ」
ハルトが命を懸けて守りたかったのは何だったでしょうか。全ての人々と全てを共有する、平和も愛も全てを共有するということではなかったでしょうか。それが「半分こ」というキーワードに繋がっているわけです。
ただ、それを実現するための道は並大抵の努力では進めない。時には、死んでしまうこともある。そういうメッセージが込められたストーリーだと思います。
悲劇としての終末でしたが、ハルトの意思は200年後まで生きるリョーコたちに受け継がれています。第三銀河帝国に攻め入った新たな異星人に対しリョーコは言います、「半分こしよう」と。
全てを画面で見せる構成ではない当作でしたが、逆に私はその裏で起こっている出来事を想像するのが楽しかったです。
しかし、その部分を想像で補完できなければ、物足りない作品でしょうね。
私としては、こういった結末も十分アリだと思いました。
以下、余談。
主人公が死んで完結する物語で面白いものはいくらでもありますし、そこは問題ではないと思います。
同じ主人公が死んで終わる作品にコードギアスがあります。コードギアスは本当に良くできた化け物のような作品(一本の作品で学園もの、ロボットもの、異能バトルもの全てをやって、それでいて和音を奏でていたという)ですから、制作側としても指標としている部分があるのかも知れません。かく言う当作、ヴァルヴレイヴもコードギアスに類似した部分が散見しています。
また、コードギアスに似た作品として2011年放送のギルティクラウンという作品もありました。どういう経緯でコードギアスの派生とも言える類似作品が生み出されているのかわかりませんが、三作ともスタッフに大河内一楼がストーリー構成や脚本で参加しています。
コードギアスを基本として考えると、ギルティクラウンが異能バトル要素多め、ヴァルヴレイヴがロボットバトル要素メイン、なんてメタ視点での分析が可能だな、とか思ってしまいます。
まぁ、本作に至っては、私としては別にコードギアスに似てようが、普通にロボットアニメとしてストーリーを楽しめました。ギルティクラウンの時のほうがコードギアスの記憶もまだ強かったせいか、似ている部分が引っ掛かりましたね。とはいえ、ギルティクラウンもそれで面白い部分がある作品でした。