かつ→→→ さんの感想・評価
5.0
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 5.0
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
語り継がれるべき大傑作
▽物語
とてつもなく要約すると
少し鈍感なひとりの少女が
笑って笑って泣いて
困難に立ち向かいながら
辛い目に遭いながらも
挫けず、強く強く生きていく
そんな物語です。
以下詳細なストーリー(ネタバレ有)
{netabare}
1944年(昭和19年)、絵が得意な少女浦野すずは広島市江波から呉の北條周作のもとに嫁ぐ。
戦争で物資が不足する中、すずは不器用ながらも懸命にささやかな暮らしを守るが、軍港の呉はたびたび空襲を受けるようになり、1945年(昭和20年)6月、すずも爆風で右手首から先を失う。
見舞いにきた妹のすみからお祭りの日に帰ってくるよう誘われるが、その当日8月6日、呉では閃光と轟音が響き、広島方面からあがる巨大な雲を見る。
8月15日、ラジオで終戦の詔勅を聞いたすずは、今まで信じていた日常を裏切られたくやしさで泣き崩れる。
翌年1月、すずはようやく広島市内に入り、祖母の家に身を寄せていたすみと再会。両親は亡くなり、すみには原爆症の症状が出ていた。
廃墟となった市内で、すずはこの世界の片隅で自分を見つけてくれた周作に感謝しながら、戦災孤児の少女を連れて呉の北條家に戻るのだった。
wiki参照
{/netabare}
▽作画
すずが描くスケッチ
作品の背景
キャラクターのデザイン、仕草、動き..etc
どれを取っても乱れなく
多少癖はありながらもとても心地の良い、見ていて暖かくなるような
そんな作画してます(伝われ
{netabare}
・すずがボロボロに泣くカット
・すずがカモメ(?)を追いかけるシーン
・広島に原爆が投下され状況が理解できていない家族達の表情
・晴海ちゃんが亡くなったときの線画
{/netabare}
以上の箇所がとても印象深く残ってるシーン。どれを取っても非常にすんばらしいです。
▽声優
のん(能年玲奈)の演技にひたすら驚き。
初主演声優とは思えない...
力強くもホワホワしてる。
そんなすずのキャラクター性にとてもマッチしていたので拍手を送りたいです。はい。
小野D、細谷さんは言わずもがな。
それとこの作品には私個人的に大好きな新谷さんも出演しているんですけど、いつもと全く違うニュアンスの声していて最初聞いたとき「んw?! だれ。笑」ってなりました。笑
ただ全体的にベテランさんが多いので耳障りに思うことなんて1ミリもありませんでした。
とてもとても良かったです!!!!!!
▽音楽
コトリンゴさんの音楽。
『この世界の片隅に』
にひたすら合いすぎてただただ良かったとしか言えない(語彙力
淡いメロディが流れてくるタイミングも素晴らしくて、その度映画館で見ている最中ホロリホロリ泣いて笑ってました。
▽キャラクター
なんといってもすずのキャラクター性に心奪われること必須です。
普段はお絵描きが好きで
少し抜けているところがあるけど
ごくごく普通の女の子。
照れて、笑って、怒って、泣いて
様々な表情を見せてくれます。
劇中、ここ泣くとこだぁー
と思っていた矢先、
すずがボケてくれたり
ここ良いシーンだー
と思っていた矢先、
すずが笑わせにきたり。笑
とにかく魅力的で、どんな人でも
こいつを嫌いには絶対なれない
ってゆうキャラクターだと思います。
それと個人的に好きなキャラクターは径子さん。
最初出てきたとき、
うわー口強いし嫌な人だなー
って思っていたら過去に色々な経験をしていて、戦時中にもとても辛い思いをします。
でも周りには絶対に弱みを見せず、静かにひとりで泣き崩れる。
そんな径子さんが愛おしすぎて、お嫁に欲しいレベルでした←
その他にも北条家のお父さん、お母さん...etc
幼馴染の哲くんや、妹のすみちゃん。
各キャラクターそれぞれ強い個性を持っていて嫌いな奴なんてひとりも出てきません。みんなみんないい人です。
▽総評
"泣いて笑える"
こんな作品に中々出会う機会ないと思います。
でも、この作品では
"泣いて笑える"
そんな経験ができる映画だと私自身強く感じます。
それと見ている最中は暖かくて微笑んでるんだけど、見た後に思い返すと泣いてしまう。
そんな不思議な感覚に陥る作品でもあります。笑
この作品自体、盛り上がる箇所も少なく淡々と話が進んでいくタイプの作品です。でも、そのひとつひとつのシーンが愛おしくなること間違いなしです。それくらい感情移入をしちゃう作品でもあります。
また物語の随所にたくさんの伏線があります
情報量がエグいです。笑
・最初の人さらいとはいったい何者か
・すずは海苔をどこ宛てに届けたのか
・座敷童は一体誰なのか
・すずさんが追いかけたサギは何の生まれ変わりなのか
・すみちゃんの腕の黒い、紫の模様は何なのか
・終盤のシーンで映ったワニは何者なのか
・孤児は一体誰の生まれ変わりなのか
等々
何度も見てぜひご自身で考察してみてください
とてもとても深い作品です。
長々と書きましたが、このレビューを見て少しでも見てみようかなーと思えたのなら本望です。
そして最後に
大傑作を生んでくれた関係者の方々へ心の底から感謝の言葉を言いたいです。本当に本当に、ありがとうございました。