クミミク さんの感想・評価
3.9
物語 : 2.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
納得できないよね。ストーリー展開とキャラクターの心的描写には。
ストーリーが所々説明不十分であったり、飛躍させ過ぎていたりする。
脚本自体のミスか、脚本を絵コンテに落としこむ演出段階でのミスか。
どちらにせよ、あの無理のある展開でオーケーを出した監督がちょっとおかしい。
せっかく作画、音楽の完成度が非常に高いのにもったいない。
『内容が盛り込み過ぎだよな』
11話+αの中に20話以上の内容を無理に詰め込んでいる感じがする。
基本的にノイタミナ枠は11話であるが、その話数を考慮してストーリーを作っているとは思えない。
このアニメの脚本家は大河内一楼、吉野弘幸である。彼らはコードギアスを始め、多くの有名作品を手がけている。どれも1クール20話以上の作品である。
もしかしたら、今回も1クール20話のノリで作品を作ってしまってしまい、まとめきれなくなったのかもしれない。
あくまでも、個人的な妄想なので、事実はどうだか分からないが…。
『キャラクターの心的描写は?』
本来であれば、様々な出来事を通してキャラクターの気持ちが徐々に変化していく。徐々にだ。
この心的描写がイマイチなために、感情移入がなかなかできない。
第3話
やひろが集にシュガーと言われた後の豹変ぶりを過剰に描きすぎている。
その違和感を感じさせないために、格好いいBGMを使って誤魔化している。
その後、集とやひろが仲直りをしたが、わずか数分後に裏切りが発生。
ちょっと、いくら何でも早すぎだろ。
第6話
集がガイの作戦に反対し、その後ちょっとした心的葛藤を経て、作戦に賛同する。
この心的葛藤に数分程度しか時間を割いておらず、あまりにも短すぎる。
話数が多ければ、この心的葛藤に丸々一話使ってもいいが、話数の少ないこのアニメでは、この中途半端な心的葛藤のシーンをカットして、衛生破壊のシーンを盛り上げるために時間を使うべきだ。
ガンダム00にも似たような衛星兵器破壊ミッションがある。その回と比べると、いかにギルクラの展開に無理があるかよく分かる。
第10話
集が潤君を殺してしまったことによって、心理的に不安定になる。
一般的に戦争アニメでは、大切な人を守れなかったことによって、それまで強気だったキャラクターがPTSDになり、弱気になる。
そして、その弱気な状態から再び戦うことを決意する。
この一連の流れをしっかりと描かなければ、キャラクターに魅力が出てこない。
ギルクラの集は、その過程の描写があまりにもテキトウである。
全面的な逃避とはれへの甘え。
葛藤が一切なく、はれが泣くことで簡単に立ち直る。
誠的なヘタレ主人公である。
いのりがいつの間にか集のことを好きになっているところも??だった。
『美しい作画と魅力的なBGMで、◯◯的な雰囲気を出す』
第11話
歌っているいのりを集が救いに行くところは、展開さえ気にしなければ、とても魅力的だ。
女の子を格好良く救う雰囲気が出ていていい。
あくまでも、雰囲気。
『全体的に見て』
全11話という条件を軽視し、内容盛り沢山にしすぎた脚本がやはり悪い。
また、視聴者の見やすさが全く考えられていない。
もっと情報量を減らし、見せたいところを時間かけて見せるべきだろう。
最後に。
いのりのカワイイさは天使。