「思い出のマーニー(アニメ映画)」

総合得点
67.0
感想・評価
341
棚に入れた
1783
ランキング
2652
★★★★☆ 3.8 (341)
物語
3.8
作画
4.2
声優
3.5
音楽
3.8
キャラ
3.7

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ようす さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

あなたのことが、大すきよ。永久に――。

監督・米林宏昌による
2014年公開のスタジオジブリ作品。

1967年出版の
イギリスの文学作品が元になっています。

観る前はそれほど面白そうには思えず、
あまり期待していなかったのです。

確かに起伏は少ないけれど、
気が付けば涙している、心温まるストーリーでした。

私は終盤涙が止まりませんでした(´;ω;`)


● ストーリー
世界と自分の間には壁がある。
心を閉ざし、周囲と打ち解けられない12歳の少女・杏奈(あんな)は、

喘息の療養のため、
義母の親戚がいる田舎にやってきた。

湿地の中に立つ洋館に心惹かれた杏奈は、
そこに住むという金髪の少女・マーニーと出会う。


普段の洋館には人が住んでいる気配がないのに、
マーニーが現れている間には活気があり、

何か不思議な存在であることは
序盤から明らかです。

マーニーの存在の秘密については
至る所にヒントがばら撒かれているので、
それを見つけて考察するのが前半の楽しいところ^^


≪ 心の奥で閉ざした秘密 ≫

孤独で、自分の事が嫌い。
杏奈は現代的な主人公だなあと思いました。

人とうまく話せない。
また、人が自分に深く踏み込もうとすると強い拒絶を示す。

これは杏奈の生い立ちに
原因があるのかと思っていましたが、

杏奈が人とうまく話せないのは、
誰にも話したくない秘密を持っていたから、という方が大きかったよう。

実際、中盤でマーニーに自分の秘密を話してからは、
自分から行動する場面が多くなります。

自分が心を許せる相手というのは、
これほどまで人に勇気を与える存在なのだと思わされました。

やましいことではなくても、
言いたくない秘密に触れられそうになると
どうしても会話がぎこちなくなってしまうのはよく分かるなあ。

自分に自信を持つことは、
何でも話せる人がいるという安心から生まれるのかもしれませんね。


≪ マーニーの人生 ≫

杏奈は自分が不幸だと嘆いて後ろ向き。
マーニーは自分の不幸を表に出さない明るさ。

対称的なようで、
実は似ている二人。

何に目を向けるかで、
人は自分が幸せかどうかを決められるのですね。

マーニーの人生に触れることで、
杏奈は自分の周りにあった幸せに気付く。
そして、自分の人生の歩み方を考えたんじゃないかな。

人を不幸にするのは人に関することがほとんどだけど、
人は人と関わらなければ変わることも、幸せになることもできない。


● キャラクター
主人公である杏奈の変化がこの作品の大きな流れ。

杏奈を変えたのはマーニーだけど、
それ以外の人たちとの触れ合いも大きい。

杏奈が療養中にお世話になっている大岩夫妻が素敵。

杏奈のことをおおらかに見守る二人の存在もまた、
杏奈にとっては大きな存在だったと思います。

そんな大岩夫妻を初め、
療養生活で杏奈に接する人は優しい人たちばかりです。


● 音楽
【 主題歌「Fine On The Outside」/ プリシラ・アーン 】

とても優しくて心地よい曲。

マーニーの人生を知ると、
この歌の沁み方が変わりますよ。


● まとめ
終盤のたたみかけがすごかったです。笑
私はぼろ泣きでした(´;ω;`)

札幌に戻った杏奈が
この先どんな風に生きるのか、

しばらく余韻に浸りたくなる心地よさがありました。

すべてを知ってから見返すとまた、
新しい発見がたくさんありそう。

人の優しさに触れたい時に、
ぜひ観てみてください^^

投稿 : 2016/11/12
閲覧 : 405
サンキュー:

25

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