血風連あにこれ支部 さんの感想・評価
3.5
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
将棋と少年と三姉妹の三角関係
三姉妹のもとに転がり込んだプロ棋士の少年を中心に描かれる物語、という感じでしょうか。
魅力的な登場人物が周囲に多いものの、その中でただ一人主人公だけに強く感じる透明感。盤上に置かれた、字の書いていない将棋の駒のような。
話が進むにつれて、彼の我も見えてくるという事なのでしょうか。
素材としては面白いと思います。絵的にも、何だかいつものシャフトさが見られなくて逆にそれがいいように思えました。(擬音表現は、ややヘンテコかなとは思ったけど
せっかくの貴重な将棋アニメなのに、将棋がメインではなく人間ドラマが中心という事なのですね。
それはいいのですが、主人公の我が見えないというのはやや痛手だなと思いました。ヒカ碁のように「棋士の高みを目指す!」的なまっすぐさがあればのめり込みやすいのではと思ったのですが。
ひとまず、最終回まで見ました。
個人的には、ギャグ調の演出がいまひとつあっていないように感じました。
まあそこは個人の感性によるものでしょうしさほどマイナスには取りませんけど。
周囲の登場人物の明るさに比べて主人公の暗さが終始浮き彫りになっていて、そのネガティブオーラが作品のテンションにずっと水を差している気がしました。
個々のエピソードを切り取ってみればなかなか悪くないように思えるのですが……。まだ話としては、坂道を上っている最中のように思えて評価しにくいですね。
主人公のネガティブさは、君嘘のようにヒロインの魅力でカバーできるのならいいのですが、三姉妹ややさぐれ姉などとも壁を作っているように感じられますし。先の話でそのあたり、ぶち壊していくと面白いのではと思います。
盤上遊戯系作品はヒカ碁が一番の大作という印象があって、将棋でもそういう作品が来ないかなと密かに期待しているのですが……。
ゲームを楽しむという純粋さも、高みを目指すという意識もあの作品には及んでいないように感じました。将棋はすごく好きなだけに、期待値は高かったのですが。何にせよ2期目で巻き返してくれれば、と思います。