bk958 さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 3.5
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
オタクがキモイ時代は終わった
少し前のオタク主人公と言えば、学園カースト底辺、リア充グループとの対立の中で描かれていたイメージがあります。オタクが主役の作品で思いつくところで、最近なら『冴えかの』やら、少し古いところで『乃木坂春香の秘密』は秘密の内容がオタク趣味でしたし、『俺の妹がこんなに~』あたりも物語開始の時点では隠したい趣味としての描きでした。
それを考えると、オタク趣味オープンかつリア充な主人公たちを見て、良くも悪くもオタク層が変わったことをひしひしと感じながら見ていました。亜子ちゃんだけはちょっとヤバいですけど(笑)その他はどう見てもリア充。アニメは見るし、アニソンも聞くけど、ハロウィンには渋谷にも行く。今となってはそんな層もオタクに入るんですね、たぶん。有名なハルヒコピペ「コポォww」とか、ルイズコピペ「クンカクンカしたいお」みたいなオタクが主流の時代は終わったのかと思うと、少し寂しい気もしますが。
そんな事を差し置いても、ヒロインたちは可愛いし、題材の「ネトゲ」も上手いこと物語に組み込んでいる良作で、氾濫するラノベ原作アニメの中ではかなり面白い部類に入ります。
亜子ちゃんが"嫁"なところもこの作品の良かったポイントでした。唯一の嫁として亜子ちゃんの可愛さと正妻力は他ヒロインの追随を許しておらず、純粋に魅力で勝負なヒロインで、「ルシアン~ルシアン~」と呼びかける日高里菜さんの声も印象的でした。そこらへんも凡百のハーレムものと差別化が出来ていて良かったところです。
ネトゲの知り合いが同じ学校というところにツッコミはあるようですが、ゲーム内の猫姫さんが先生というところまで徹底されると、うんうんそういう世界なんだねといった感じ。ここらへんは感性によって違うかもしれません。
特別尖ったところがない作品ですが、全体を通してアニメとしての出来は良く、このレベルのラノベ原作が増えるといいなと思えるくらいの良作でした。