HG anime さんの感想・評価
3.7
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
人間として生きるということ
物語の舞台はおそらく昔の日本でしょうね。
人肉を食べることがそれほど禁忌じゃない文化も例があるし、現代においても戦争とかの極限状況だったり登山で遭難したりするときに死んだ者の人肉を食べたりして生き残ったとかいう話は実際にあるわけで。人としてはやっぱり人を食べたくないという感情は当然あるよね。人肉を食べるくらいなら死んだ方がましだと言って実際に死んでしまうのも一つの道。殺人をしてまで人肉を手に入れて食べようとするくらいなら普通の人なら死を選ぶだろうけど、序盤の阿修羅のように「万人の万人に対する闘争」よろしく人を殺してでも肉を食べるというのが本来の姿なのかもね。生まれ落ちた獣の状態である赤ん坊はだんだんと洗脳や契約によって人になり国民にされるわけだものね。どうかなぁ、私だったら状況によっては死人の新鮮な人肉なら食べるかも。空腹に抗うのって想像できないくらいキツイと思う。手元に拳銃があったり崖があったら人肉を食べるくらいなら死を選ぶかもしれないけど、人間の体はそこそこ頑丈だから死ぬのも大変ですからね。そういうことをちょっと考えちゃうような少し深い内容だった。人間らしくなるにつれて生きることがつらくなっていく阿修羅の様子が生々しかった。最後に阿修羅がお坊さんになってすごく意外だったけど、こんな経験をすれば悟りが開けそうだね。
作画はCGをメインに描かれているような感じ。
音楽はEDが2曲あるけど、そのうちの『Trash』がめっちゃ好きな感じの曲。短編作品に秀逸なのぶつけてくるね。このレビューもこの曲聞きながら書いてるもんね。二軍入り。(曲はすこぶるいいんだけど、歌手の人の声域ギリギリすぎるなぁ。81点の曲が76点になってるような感じ。Aimerさんにこの曲歌ってみてほしいなぁ。あ、またいらんこと言っちゃった。)
70分強。良作。