ガムンダ さんの感想・評価
3.4
物語 : 2.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
ガンダム嫌いでもギリ観られる
「ガンダム」である と書けば大体概要説明には事足りましょう。
ただし本作は「ガンダム」シリーズの中でも異色作との事です。
私は基本ガンダム嫌いなので詳しくないですのですが、なるほどこれは少し違う気がします。
どこが違ってどこが同じか。
以下に挙げてみます。
私にとってガンダムとは負の要素の集合体(すみません)なので、
<違う>はプラスを意味し、<同じ>はマイナスを意味します。
<ここが違う>
1.主人公に好感が持てる
「ガンダム」と言えばウザキャラが大量に出てくるアニメという認識で、特に主人公が未熟者(として成長譚とする訳ですが)であるのが常ですが、本作の主人公は誠実で素直で何よりメンタル安定しています。
ガンダムを観る上で最大の障壁になっていたものがこの作品では無いです。
ヒロインもなかなかいいキャラで結構好きです。
2.ニュータイプ云々が出てこない
第二の障壁、ニュータイプどうのこうの論がなんと一切ありません。
人類を平和に導く新人類とでも言いたいのでしょうが、その実情緒不安定で好戦的だし、しばしば選民主義的な描写に閉口させられます。
勿体振って曰くありげでいつまでも結論の出ない「自分は特別な何か」という思春期特有の妄想を刺激してその世代の支持を得る為の小道具に過ぎません。
3.玩具に誘導しない
「ガンダム」とはプラモを買わせる為のアニメですが、この「ターンエーガンダム」はなんとそのロボットが意図的にカッコ悪く、脇役なんかはもうヤッツケとしか言いようが無いです。
「スターウォーズ」のメカの様な「ダサカッコイイ」も言えない様なデザインです。
これは「物語勝負」っていう心意気と受け取りました。
<ここが同じ>
A.不可解
難解ではなく不可解です。
ガンダムほど不可解に人が死ぬ作品ないと思ってます。
物語上の「理不尽な死」には「理不尽である」と言う意味がありますが、ガンダムにはそれもありません。
ほんの一例です。
(当代)ウィル・ゲイム氏の死には相当程度キエルに責任がありますが、一体キエルは何の為にそうしたんでしょう。
キエル以外の関係者の思惑も意味不明です。更に困った事にその行動に至った本人の思惑も意味不明です。
彼は何の為に、何故死んだのでしょう。
そうしてこの一件はこの物語にとって何の意味があるんでしょう。
ガンダムにはこういう事が多すぎます。
死にまつわる事だけでなく、物語のラインも本当に右往左往でどうしたいのか良くわかりませんし、「何故そんなこと言うの?」という不可解な台詞も多いです。
富野さん独特の感性と思っています。
B.好戦的
話せば分かる物を一々戦闘おっ始めます。
しかもろくに統制が取れていない軍隊です。
まあ今回は文明が衰退した世界での話なので、統制が緩む件についてはいつもよりは理に適ってますが。
C.ロボットが主役
Bに関連しますが、玩具商法を放棄したのにやっぱり主役はロボットです。
ロボットが活躍する為にシナリオが描かれます。
そこ棄てましょ。
でもそうすると「ガンダム」である必要が無くなるんですよね。
やっぱり私はガンダムを観るべきでないんだと思います。
と言う訳で異色の設定で重厚なのを期待しましたが、まぁ普通にガンダムでした。
それと無駄に長いです。1クールで済ませましょ。もう少し綺麗に纏めて欲しいです。
ただガンダムとしては<ここが違う>点だけで随分観れる様になるものだと思いました。
ただしあくまで「ガンダムとしては」と言う話であって、絶対的に面白いかって言うとウーン・・・
音楽はかなり良いです。
ただ後期OPが世界観をブチ壊す酷いモノだったので-1で「4」にします。