tataleo さんの感想・評価
4.0
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 5.0
状態:観たい
ほとんどの登場人物に自分を重ねられる
海外在住でまだ劇場版を観れないため、ネット上で公開されている英語訳の原作を読んでみました。
ネームに物凄く時間をかけているらしいので、言語の違いで伝わり方が微妙に変わっている可能性はあるのですが、それでもこの作品は物凄く心に深く突き刺さり、考えさせられました。
イジメに関してはほとんどの人が傍観者で加担もせず庇いもせず、罪の意識も低いのではないかと思います。仮に同じクラス内で起きていた事にほとんど気付かなかったにしても、同じ空間にいるにも関わらずのそういう無関心さも他者を十分傷つけているのだという点にも気付かせてくれる作品だと思いました。
障がい者への差別に関しては、マンガで描かれているのは決して誇張ではないのでしょう。特に担任教師の態度。校長の無関心さ。実際にそういう教師が学校でも半分以上を占めていると実感しているし。
私自身、マンガのほどひどくなくても他者を心ない言葉で傷つけたり傷つけられたり、傍観者で何もしなかったりとほとんどの立場を経験して、今でも様々な感情を持ちつつ人生を過ごしています。でも、多分どこまで行っても他者の気持ちは本当の意味ではわからない。傷つけ傷ついた出来事を振り返ると物凄く苦しくなるけれど、自分の気持ちを切り替える以外はどうしようもないわけで。そういう点では主人公の変わりかたにも共感出来る部分がありました。
多くの人がこの作品を観たり読んだりして、ニセモノじゃない思いやりやコミュニケーション手段が異なってもその違いを受け入れられる器量を持ち、お互いがどこまで行っても対等な人間であることを真に理解して接する事、そういう当たり前なことに気付いて実践して行かれるきっかけとなれば素敵だなと思います。勿論私も含めて。
劇場アニメ版、はやく観たいです。