ノリノリメガネ さんの感想・評価
3.3
物語 : 1.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.5
キャラ : 2.5
状態:観終わった
避妊はしよう
オオカミ男と恋に落ち、二人の子をもうけた母に焦点を当てた作品。
丁寧に作られてはいるけれど、いまいちまとまりに欠け、視聴者に何を伝えたいのかよく見えてこなかった。
{netabare}
ジャンルはファンタジーなのだろうけど、オオカミと人間の交配設定のみで、派手なアクションや勧善懲悪な痛快ストーリー等は無く、起こることは逆にリアリティのある出来事が多かった。
結構早い段階で父オオカミが死ぬのにはびっくりした。しかもゴミ収集車に持っていかれるシーンはなかなかにユルくない映像だったと思う。
私がこの作品から学んだことはやはり避妊は大切だということ。
シングルマザーになってしまった不運はあるものの、無計画に学生で妊娠したのがまず間違い。以後大変な境遇が描かれるのだけども、結局自業自得だろうと思ってしまうので、同情することはできなかった。
また、後半にかけて雨と雪が生きる道を別々にするが、雨のエピソードと雪のエピソードが単独で成立していて交わらないのがうまくない。最後、雨は山のオオカミになるけれど、雪はその瞬間に立ち会っておらず、何をしていたかというと、同級生の男の子と青春しているというチグハグさが引っかかった。しかもその前のシーンで派手な姉弟喧嘩が目に焼き付いているので、なんか家族がバラバラになったような印象で作品が終わってしまったのがもったいない。
というか、本当に監督は何を視聴者に伝えたかったのだろうか。家族愛なのか、青春なのか、自然との共生なのか…。やはりまとまっていない気がする。
それまでの過程を考えるならば、やはり家族愛ものとしてもっとテーマを絞ったほうが良かったと思う。例えば、花が雪と一緒に雨捜しに行くなど、もっとハートフルな演出でまとめて欲しかった。
だって、あの終わり方だと雪の立場からすると、家に帰ったら実の弟がいなくなってたって状況なので、それはどうなんだろう。せっかく喧嘩シーンを描いたのに、その和解シーンを描かず離れ離れっていうのはどうしても納得がいかなかった。
まぁ、韮崎のおじいちゃんの優しさには震えたし、全編を通して映像と音楽は素晴らしかった。
{/netabare}