runa21 さんの感想・評価
3.4
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 3.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
評価が難しい・・・
幼いころに家族を殺されて
一人だけ生き残った主人公が
復讐をしていくお話です。
復讐物は大好物なんです。
だって、話の内容がすごく単純じゃないですか!!
ある人物(超悪役)によってすべてを奪われた主人公が、
そいつを貶めるために近づき、
味方となるような人物を一人一人消していって・・・
少しずつ少しずつ首を絞めていくような様子とか、
悪役がもがき苦しんでいく様子を見て、
「け、ざまぁねぇな」
と思ったりとか(性格悪いww)
最終的には復讐って後味が悪いものだよね?
ということで着地しつつも、
復讐相手の苦しむ様子とかを見て、
ちょっとスカッとする感じがすっごく好きなんです。
ただ・・・
この物語を最終話まで見て、
この物語を復讐物とくくっていいものなのかどうか・・・。
{netabare}
別の物語の本の話なんですが
「家族とは一緒に死ねるひとのこと」
というセリフがあったんですが、
なぜかこの物語を表すセリフのようにも感じました。
幼いころに
目の前で家族が全員殺されてしまった
アヴィリオにとって、
一緒に死ねなかったことは、
生きていること以上につらい出来事だったのかもしれない。
だから彼は死んだように生き、
手紙をきっかけに、復讐に走ることにより、
自分が生きている理由、生きていてもいい理由を
見つけたようにも感じます。
もしかしたら彼は、
復讐の途中で死ぬことになったとしても、
それはそれでいいと割り切っていたのかもしれません。
それくらい彼は「自分が生きている」ことを
恥じているようにも悔いているようにも感じました。
復讐物の主人公って、
もっとこう、復讐に対する熱い感情を内に抱えながらも、
表面上ではにこにこしている・・・というような
激しい一面を持っていることが多いのですが。
(だからこそ復讐を成し遂げることができるのですが)
アヴィリオに関しては、
そんな激しさがほとんど見受けられなかったんです。
自分の見方が拙かったのかもしれませんが・・・
だから
彼は、もしかしたら死にたいのかな?と
ふと思ったんです。
そうすると最後までネロが生かされていた理由が
なんとなくわかるんです。
ネロはアヴィリオの復讐相手の一人でありながらも、
幼い頃のアヴィリオが逃げたときに、
子ども(アヴィリオ)を撃つことができなかったと独白しています。
そんなネロのファミリー(親友や家族)を
一人一人奪っていき、
ネロが傷つき、すべてを失い、
その黒幕がアヴィリオであることを知った時、
ネロに今度こそ
自分を殺してもらおうと思っていたのではないかと・・・。
そんな気がしました。
ネロと関わることにより、
彼に殺してもらいたいと思うほど、
アヴィリオはネロという人物を
信頼し、好感を持っていたんじゃないでしょうか。
ものすっごく、いびつな話なんですが・・・。
復讐の結末が見え始めたころには、
コルテオを逃がそうと画策しているようでしたし、
(ただ、誤解からコルテオは・・・)
自分が生きてコルテオと再び家族のように暮らす未来は
アヴィリオの中にはなかったんじゃないかと・・・。
だからこそ、コルテオのラストの行動には
さすがのアヴィリオの感情も動いたように感じたし、
それにより、復讐→殺してもらうという図式を
完成させるために、踏ん切りがついたようにも感じた。
手紙の送り主であるヴィンセントに対しても
特になんの執着もなく、あのような結末だったのかな?
結構あっけなかった。
全ては、
「あの時」のやり直しをしたかった
アヴィリオの悲しい行動だったのかもしれない。
死を覚悟した人ほど怖いものはないですよね。
彼の目的を果たすために、
どれだけの人が命を失い、混乱を巻き起こしたのか・・・
{/netabare}
この短い話数で、ここまでの内容をブチ込み、
そして完結させたのはすごい。
終始暗い話ではあるし、
人がどんどん死んでいくし、
その割には意外と単調な感じなんです。
だから途中で切ってしまった人の気持ちも
なんとなくわかるんですが、
最後まで見て初めてアヴィリオの行動理由とか、
「今考えるとあの時の会話は・・・」
とか見えてくるものもあり、
ラストまで見てよかったと思えました。
あと、なんといってもOPの
TK from凛として時雨の
頭がくるってるようなあの独特な曲が
この物語にものすっごくあっていた!!
本当に大好き!!
ラストまで見ることができたのは、
あのOPがあったからこそとも思います。
やっぱりアニメのOPって重要だよなぁと
改めて感じた。