「クオリディア・コード(TVアニメ動画)」

総合得点
68.5
感想・評価
656
棚に入れた
3209
ランキング
2083
★★★★☆ 3.3 (656)
物語
3.3
作画
2.7
声優
3.5
音楽
3.5
キャラ
3.4

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 2.5 声優 : 4.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

キャラの魅力と掛け合い、展開も良かった。作画以外はもう少し評価されても良いのでは。

ラノベ作家3人による共作(というより、シェアワールド)、異能学園バトルです。
学生たちが異能で謎の敵と交戦している系のラノベアニメの中では、かなり面白い方。
見所は世界観と展開の意外性と、キャラ間の掛け合いにあり。
特に、口は悪いが兄を信頼している妹と、昼行燈なひねくれ者だが有能な兄の兄妹コンビの掛け合い良かった。
この手の作風から「テンプレハーレムエロ」要素を除いて群像劇にした感じ。

…作画崩壊で悪名高く、実際2016年度の水準に達していないシーン多々あるのが惜しい。
ただ、キャラデザは良いので、そこまで致命的とまでは思わないです。

{netabare}『物語』
人類がアンノウンという謎の敵に侵略され長年(30年くらい)交戦中、防衛拠点の東京・千葉・神奈川の3都市単位で、異能力を持つ学生たちが防衛戦をやっている世界観。
学生が指揮権や自治運営している等、ラノベによくありそうな感じ。
主に各都市の代表の3組6人の少年少女の活躍を描きつつ、キャラ間の掛け合いや関係性を掘り下げたり、不穏な世界の秘密から、後半意外な展開を見せていく…。
世界観や設定は(序盤の内は)ありがちだけど分かり易く、主役組は各都市のリーダー格で、都市単位で作戦行動する流れがすっきりしている。

とにかく主役3組のキャラクターで魅せる作風でした。
不器用なラブコメ、百合寄りの友情、憎まれ口叩き合いつつも仲の良い兄妹萌え、主要3組それぞれのキャラドラマが良いです。
能力は高いが性格は未熟な東京主席と、能力は低いが有能な千葉の兄とのケンカ腰からの友情も中々。
…セリフ量が多く、掛け合いの連続で各キャラに愛着がわいてくる。
近年のキャラ多い作品はセリフ少なすぎ、本作は久々にセリフ連打で魅せてくれるアニメでした。

強力な異能のゴリ押しだけでなく、ちゃんと作戦練ったり、各々の特性生かしたり連係プレイで戦況打破していくのも良かった。
この過程でも、各キャラ間のドラマを見せてくれる。

全体のプロットも良い。
掛け合いや工夫したバトルで見せつつ、中盤から後半そして終盤に波乱とドンデン返しの展開で終始ハラハラさせられ、飽きさせず。
最終的な落とし所も温かみがあり後味も良い。
セカイ系、異種族交流、親子やきょうだいの絆などのテーマを1クールできちんと見せてくれた。


…思いのほか優秀なストーリーだったのですが。
この世界観の前例(ざーさん初主演の、不朽の名作)が念頭にあった為か、1クールでは物足りなく感じる面も。
なので世界観の反転による驚きと、以降の展開に、もう一ひねり欲しかった。
序盤から違和感を仕込みつつ疑念を持たせ、アイディンティテイーが揺さぶられる展開が見たかった。
ここが淡々と終盤に突入したのがやや惜しいです。
…もう一点。終盤突入以前の、防衛機構の大人組と、主役組との交流もやや物足りない。
その為か、育ての親子同士の葛藤劇が不十分に感じました。
ここも価値観の反転の見せ場になり得る展開だと思うので、やや惜しいです。

とはいえ全体的に良く出来たストーリーだったのでは。
1クールで6人のドラマ十分以上に描けているのは見事。
十分以上に面白かったです。


『作画』
本作の泣き所、作画崩壊…。
流石に2016年度のTVアニメとしては看過できないレベル。
ただ…
基本的なキャラデザは可愛くって好み(特に舞姫超好み、明日葉のデレ顔)だったり、異能も大味ながらダイナミックな見せ場はあったり、粗は多いが興醒めする程ではなかったような。
バトルの見せ場が手抜き感満載なのはマイナスながら、各キャラの異能がいかに活躍したかはちゃんと分かりますし。
案外、演出は頑張っていたような。

昔から作画崩壊あたり前なアニメ観て育ってきた身からすると、(完成度は低いながら)絵的に凄く不満!という程でも無いです…。


『声優』
舞姫の悠木碧さんが良かったです。ポジティブなカリスマ少女はまり役。
内田雄馬さんの皮肉屋な感じ、安済知佳さんの憎まれ口も良い感じ。
平田広明さん、能登麻美子さんの大人組も深みあり。
中原麻衣さんの、可愛らしさと大人らしさに加え狂気を孕んだ演技もインパクトありました。

『音楽』
主題歌はテーマに沿っていた模様。
中々良い感じ。


『キャラ』
3組6人特に舞姫と千葉の兄妹のキャラクターが非常に良かった。
舞姫が可愛いです。苦しい戦況でも明るく能天気かつ力強く仲間を鼓舞しつつ、自らは圧倒的なバ火力で前線に立つ戦姫。
彼女が戦闘面と精神面で物語を引っ張ったメインヒロイン。華のあるヒロインでした。
記憶にまつわるドラマも良し、中盤から悲壮さがあり、死なないかハラハラしました…。
ほたるちゃんの舞姫に対する保護者兼親友な百合も良かった…異能が強い!

千葉の千種(ちぐさ)兄妹も非常に良い。
兄の霞は俺ガイルの八幡を彷彿とするひねくれた性格からの智謀で活躍、主人公としては彼が一番魅力あった。
能力は弱くてもいぶし銀な活躍、狙撃活かした作戦かっこいい。
そんな兄にいつも憎まれ口叩きつつも内心は憎からず思っている、妹の明日葉ちゃんかわいい。比企谷小町ちゃんにヒケを取らぬ妹キャラ。
この兄妹コンビほんと好きです。

もう一方の東京組はいささか存在感落ちるものの、王道的な主人公ヒロインではあった。

千種兄妹の母・夜羽(ゆう)のインパクトも大。
可愛い母親であったが、狂気も凄まじい。

管理官のふたりの関係も尊かった。
もう少し分かり易く父親母親らしさ見たかったです。
…でも、生命体として幸せ掴めて良かった。
同胞の侵略やめさせる…ネプチューンマン思い出したw{/netabare}

投稿 : 2016/10/30
閲覧 : 309
サンキュー:

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