Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
大切な人を守る手段がそれしか無いのなら…行使するのは悪くないと思います。
この作品の原作は未読です…作画も個人的な好みから外れていたので、最初は視聴を敬遠しようと思っていましたが序盤だけでも…と思い視聴したところ、胡散臭い人が出てくる上に物語もイマイチ…と思っていましたが、中盤以降持ち直し尻上がりに面白さが増していった作品だと思います。
この物語の主人公は、中学2年生の影山茂夫…彼は見た目通り大人しそうで平凡な中学生なのですが、超能力の使い手なんです。
異能の力…他人とは違う自分だけの特別な力…本来超能力とはそういった類の力です。
持っていれば自然と使いたくなるのも道理だと思います。
ですが「茂夫」を音読みすると「モブ」と呼ばれる彼は、人間が生活していく上で超能力は全く不要な力だと考えているため、滅多な事では能力を使用しないんです。
ですがそういった能力は妬み…或いは己の能力の強さを誇示したいと考える一部の輩からモブは狙われる事となり物語が動いていきます。
正直最初は微妙でした…モブが「師匠」と崇める霊幻新隆…確かに時にはほんのちょっぴり良い事も言うのですが、「どの口がその台詞を言わせるの…?」と思えるシーンがてんこ盛りなんです。
師匠を反面教師として見る事ができればモブにも救いはあるのですが、一向にその気配無し…
「こんな大人になっちゃいけないよ…」
モブに対してそんな事を考えながら視聴していました。
でも中盤に入り、ダメダメな大人代表である霊幻新隆の出番が減り、代わりにモブと同じ能力者が登場してから少しだけ面白くなってきました。
個人的お気に入りは松岡さん演じる内股くん…花沢輝気でした。
能力が高い事以外は普通の中学生だった彼は、異能の力が自分の全てであると考えていた事から、思想の違うモブとは対立してしまいます。
でもこの対立は彼にとって必要なモノだったと思います。
なぜならこの戦いを経て彼は大きく変わりましたから…
そんなモブには律という溺愛している弟がいました。でもモブとは違い、学校の成績も良くスポーツ万能な上、ルックスも悪くない…モブが持っていないモノを全て兼ね備えているのが律でした。
そんな雲泥の差のある兄弟ですが、弟は兄に対するコンプレックスが消えません。
律はモブに持っていないモノを持っている…けれど、律が持っていないモノをモブは持っているんです…異能の力を…
血を分けた兄弟なら自分にも可能性が…そう考えるのは当然だと思います。
これまで律もたくさんのスプーンと向き合いながら鍛錬に鍛錬を重ねてきました。
けれど、努力して何とかなる能力じゃないんですよね…
そんな律がこの能力とどの様に向き合うかが中盤の見どころでもあり、この辺りからだいぶ面白さに拍車がかかってきたように思います。
これまでは子供の間でのイザコザに過ぎませんでしたが、大の大人の超能力を用いた企みにモブ達が巻き込まれてからは、俄然面白くなってきました。
大の大人…といっても外見だけで中身が大人かどうかは別問題ですが、子供相手に本気で襲い掛かってくるんです…
正直見苦しい感じはしました…けれど、それで怯むモブ達ではありません。
本当は争い事が嫌いなモブ…でも友達や大切な人が傷つけられない様に守るためなら、使える力は行使する…それで良いと思います。
ここから先で待っているのは全力全開のモブの勇姿…相当スカッとさせて貰いました。
オープニングテーマは、MOB CHOIRさんの「99」
エンディングテーマは、ALL OFFさんの「リフレインボーイ」
オープニングが恰好良いと思いましたが歌を覚えるのは断念してしまいました。
このオープニング…バックで数字がカウントされているのですが、それが気になって毎回数字ばかり追いかけながら聞いていました。
カウントされた数字は99だったのか…それとも100までだったかは聞き取れませんでしたけれど…
1クール計12話の作品でした。正直作画はあまり好みではありませんでしたが、この作品の持つ独特の熱さは嫌いじゃなかったです。この作品もしっかり堪能させて頂きました。