かんろ さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
音楽はいいけど、ストーリーやスケートシーンは表面的でがっかり。
評判のスケートシーンは最初の頃だけでしたね。
途中から作画が乱れてきて残念でした。
プロの人に振り付けてもらって、
アニメーターが書き起こしたということで、
伸びやかな身体や細部の身体表現、
動きのメリハリや強弱が描かれていて、とても素晴らしかった。
美しさの表現が必要になるフィギュアスケートが見せ場なのだから、
とても期待していた。
でも、何となく背景の速さとコマのズレが気になって、
回が進むごとに、遠近感もデッサンも滅茶苦茶。
この手法で描くのなら、最後まで頑張ってほしかった。
制作会社のMAPPAは、坂道のアポロンの時、
ピアノの演奏作画が超人的だったけど、
途中で諦めちゃったのかな。
バレエやスケートは、リアルな動きを追求すると、
アニメが見劣ることを露呈してしまいましたね。
やめときゃいいのに、と言われるのは残念です。
1話では出来ていたのだから、
映像のトレースというのは何ですけど、
手間をかければ、見れるくらいには出来るということですよね。
スケートシーンを支えていたのは、
音楽と臨場感ある解説者だったと思います。
原案の久保ミツロウさんという方は、
映画「モテキ」の原作者ということ。
「モテキ」の主役を演じたのは、
森山未來さんというバレエダンサーです。
バレエやスケートの美しい身体表現が好きなのかな。
アニメのバレエやダンス、スケートの作画は難しいと思うので、
この分野のアニメをどこまで究めてくれるのか、期待します。
監督の山本沙代さんは、
アートスティックな作画が個性的ですが、
女性的感性が前面に出ていて、洒落てるけど、
実は、私は少々鼻について苦手です。
性的な表現もあるし、
いや、それがいいのかもしれませんが。
ストーリーが、とても浅く表面的。
キャラの過去や成長の苦しみにまで言及出来ておらず、
薄っぺらくて共感できないシーンや台詞が度々。
私としては、こういう一途なテーマは、
もっと苦しみを昇華した上で、
見せ場のスケートシーンをたっぷりの尺で見たいと思うのですが、
いつも見せ場の話運びが、せっかちで早急に終わってしまい、
盛り上がった気持ちが置いてけぼりにされてしまいます。
それを誤魔化すように、
キャラが大袈裟にいちゃついたり、ギャグに流れてる感じがして、
好感が持てませんでした。
3話からスケート作画シーンに息切れが…。
他がいい時に
華のスケートシーンの作画が(涙×10)雑になってしまうと、
悪目立ちしてしまってがっかりでした。
綺麗な物を期待して見ているのに、
やるからには最後まで頑張ってほしいです。
後、フィギュアスケートの身体表現に
多少のエロティックを纏わせたいのは理解できるけど、
コーチのユーリに対する絡みが、
あたかも腐女子受けを狙ってる感じで、
ド定番過ぎて不自然で、視聴者ナメてんのか〜?
とちょっと思ってしまう(苦笑)けど、
ギャグにしたいのかな…。
こういう一途な気持ちを魅せる作品としては、
私的には、表面的なばかりで浅い下衆な感じがして、
がっかりでした。
OPとEDのセンス、
作品全般の音楽、
スケート競技の解説者の臨場感は良くて、
それが支えだったと思います。
もし2期やるとしたら、
丁寧なスケートシーンとキャラが掘り下げられるなら、
面白くなるかもしれないですね。