はあつ さんの感想・評価

4.9
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態：観終わった

癒してあげるのん～

名称：のんのんびより
効能：心のコリの緩和
成分：のんびり、のどか、笑い、少々の萌えと懐かしさ
用量：1日、1話~2話
用法：就寝前
服用上の注意：1度に観すぎると、翌朝、仕事に行くのが嫌になる事があります

私にとっては、こんな具合に処方してもらい効果抜群だった清涼剤のようで、2期の「リピート」まで通して、「くり返し」観たくなる作品でした。

キャラではなく風景を見せる事に惜しげもなく時間を使った作画は、山あいの田園をメインに、四季折々の美しい自然の景色をじっくり堪能できます。(動物もリアルよりなのがいい！)
こうした日本の原風景には、日本人なら多くの人が懐かしく感じたり、落ち着いた気持ちになれることでしょう。
音響もしかり、作中いたるところで、鳥のさえずり、虫やカエルの声、小川のせせらぎ等、豊かな自然の中でしか聞けない音が流れ、画面を見なくても、都会の喧騒を忘れさせてくれます。(音のヒーリング効果はリコーダーの音や授業のチャイム等細部まで！)

ストーリーは他愛もない日常の出来事を1話完結で纏められていて、続きを気にすることなく、少しずつ気軽に観る事ができます。
ほのぼのコメディがメインですが、クスッと笑えるシーンが多く、張り詰めた心をほぐして、くつろいだ気分にしてくれます。
また、たまにホロッとくるエピソードも入っていて、心をじんわり温かくさせてくれたりもします。

都会のゴミゴミとした空気の中で、気ぜわしい日常を過ごす方(特に男性)なら、ハマること請け合いです!

以下は1期2期通してのネタバレの感想です。
{netabare}
ストーリーに関して

登場人物が、女子小中学生をメインにほとんどが女性なのは、原作(未読)に準拠しているのか深夜アニメらしい設定ではありますが、男性キャラが登場しない(声だしNGの着ぐるみの様なお兄ちゃんはいますが^^;)事で、余計な恋情にザワついたり、父親が叱る場面などで感じる威圧感もなく、優しい雰囲気とゆるい萌えに浸れました。
この舞台なら、お年寄りはもっと出てきてもいいと思ったのですが、少しでも過疎や高齢化などの問題に意識が向くと、雰囲気が損なわれる恐れがあるから敢えて登場させなかったのかもしれませんね。

キャラについて

主役4人とも、単独でも絡ませても楽しい巧い配役で、どの子を見てても和めました。
その中でも私の推しメンはやっぱりれんちょん！
ほとんどのれんちょん推しの方を虜にしたのが1期4話でしょうね。
それまで、テンプレのビジュアルで、ズれた言動が面白いだけの女の子かなと見てたところに、初めて見せた、無垢な子供らしい切ない感情！
その演出の妙もあって、あの溢れだした涙顔を見せられたら、ツンデレとは違ったギャップ萌えにオッサンはイチコロです♪
以降、無表情の奥に垣間見える感受性豊かな才能(他人の気持ちに敏感だったり、自然や動物への慈しみがあったり)にくぎづけでした。

もう１人、私のお気に入りが、主要メンバーではないのですが、通称、駄菓子屋さん。
彼女はこの作品で唯一、男性的な役割をしてたのではないでしょうか。
私は、赤ちゃんのれんちょんを世話する姿が、慣れない育児をする父親のように感じたんです。
その後、初日の出を見にれんちょんをおんぶして山を登ったり、自転車の練習をしてあげる姿を見て、～自分も昔同じ事をしたな～　と懐かしさで自然と涙が出ました(T-T)

声優さん

やっぱりれんちょん役の小岩井さんが一番かなと。
あの独特の語尾とテンポは、作品性を高めるのに欠かせない和み効果を出す名演でした。
和みという点では、先生でかず姉役の名塚さんも、まったりとした口調の好演で癒してくれました！

音楽

nano.RIPEさんのOPは、1期2期ともカントリーポップな曲調に自然の中で生き生きとしてるキャラ達にピッタリの歌詞で、今日はどこにハイキングに出掛けるんだろうって気分に♪
キャラソンのEDも、各話観る毎に最後まで聴いてしまう、疲れた1日の最後に絶好の効き目の癒しソング。特に2期の「おかえり」のれんちょんの歌声はハマりました。小岩井さんグッジョブ♪

最後に

日常系って「サザエさん」「ちびまるこちゃん」的な作品をイメージしてしまい、敢えて深夜アニメでまで観る必要はない気がして、あまり観てませんでした。
でもジャンルで先入観を持っちゃイケませんね～
大人でも見応えのある、というか、オッサンだからこそ癒される極上の作品があるんだもの。
視聴者を癒してあげよう、観る者を和ませてあげよう、監督以下、製作陣のそんな思いやりが伝わるようで、全てのスタッフの皆さまに感謝です！
{/netabare}