どらむろ さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
前半謎の敵とロボットバトル、後半気弱少年とツンデレ少女のじれったいラブコメ
原作はシミュレーションゲームの不朽の名作。
進撃の巨人、の元のマブラヴ、の大元(と言われる)作風(人類の脅威に立ち向かう系)ですが、アニメ版は比較的ライト寄りで、青春やラブコメします。
原作の先入観を抜きにして、別物として見た方がよさげ。
{netabare}『物語』
「幻獣」と呼ばれる謎の生命体の侵略で、人類かなり追い詰められている(作中時点で日本含む一部地域以外は壊滅した)情勢下、日本防衛の最前線の熊本市を舞台に、少年少女たちが人型戦車HWTというロボットに乗って戦いつつ、学園生活そしてラブコメをしていく。
幻獣との死闘、仲間の死が日常と隣り合わせの青春…
そんな最中、気弱な少年・速水厚志と、無口でストイックなツンデレ美少女・芝村舞が出逢い、すれ違いやもどかしい関係を経て、次第に距離が縮まっていく…。
主に前半バトル、後半ラブコメ中心です。
原作未プレイだと世界観解説があまり親切ではないのが難ですが、「学園青春物」で「侵略生命体とロボットバトル」が並立する雰囲気が持ち味。
絶望的戦況の暗さと、それが日常故の普通に青春する明るさが同居している。
意外と悲壮感を感じないライトさ。それはある種の狂気を感じさせる。
彼らにとって学園生活と生きては帰れぬかも知れぬ出撃は、あまりに自然な日常。
そういう世界観なんだなぁ…と。
度々、ニュースで淡々と学生の戦死者名が告げられるシーンで、それが伝わります。
…本作の持ち味は「死と隣り合わせの日常と青春」なので、犠牲は展開上やむを得ない。
諸行無常…中盤の精霊流しか印象的でした。
※絶望的状況であえてライトな学園物、本作はそのはしりかも?
学校やクラス単位で部隊編成していて、学級委員長が編成組んで出撃要員決めたり、出撃シークエンスや、幻獣にトドメを刺す「PBE」というブラックホール発生させて一網打尽にする兵器使った作戦などなど、一連の流れがカッコイイです。
ただ、作戦は単調だったり、個々が大活躍している感はあまりない為か地味でもあり。
それでも中盤の山場のバトルはかなりの激戦、人形劇と並行する演出と相まって引き込まれます。
ラブコメは気弱な厚志と舞が複座ロボでコンビを組んだ時点では、あまり惹かれ合う要素感じない。
幻獣の脅威の最中ふたりが急接近する中盤の山場が良い感じ、以降後半ずっと、もどかしい学園ラブコメに。
仲間の応援など、学園青春物してました。
…悪く見るとバトルとラブコメどっちも不十分だったり、大勢のキャラや世界観が掴み難かったり。
それでも絶望的な戦況下で惹かれ合う、もどかしいラブコメとしては良かったです。
惜しむらくは後半、前半の絶望感忘れがちになる、後半もある程度のシリアス並行して欲しかった。
『作画』
キャラデザは古いものの、舞や、ののみちゃん可愛いです。
見所は人型戦車のデザインや凝った出撃シークエンス。
ロボットアニメとしてかなり良いです。
『声優』
石田彰さんの気弱少年が絶品でした。ほんと、頼りなさげな演技です。
岡村明美さんの凛々しい系も良い。
吉田真弓さんの無邪気系幼女ボイスが癒しでした。
『音楽』
OP「真実の扉」ED「闇を越えて」どちらもかなりの良曲。
特にEDは舞の心情しっかり伝わり、終盤少し心打たれます。
『キャラ』
速水厚志は前半気弱過ぎてややイライラしますが、中盤舞を助けて、気負う舞にちゃんと助言したシーンで評価上昇。
…このシーン以外はパッとしない主人公ですが。
芝村舞はストイックで不器用なツンデレ、回が進むと次第に可愛さ発揮。
厚志に助けられて以降の葛藤や心理描写かわいいです。
幼女(本編では言及されないが、とある非人道的理由で成長止められている)ののみちゃんが最萌でした。
「サクラ大戦」のアイリスポジ、ののみちゃんの方はシリアス薄くて萌えやすいです。
この他、冷静沈着だが実は情に厚い善行忠孝、学園ラブコメのトリックスターだった原素子などキャラ立ってますが、あいにく原作知らないとキャラ名覚え難いです。
(ののみちゃんは頻繁に名前呼ばれるので覚えられる)
良いキャラ多いものの、1クールでは印象散っている感も。
ただ、厚志と舞を中心とする学園ドラマ&世界観をよく支えていたので悪くはない。{/netabare}