どらむろ さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
本編の総集編+αの補完そして完結させたストーリー。完全に本編ファン向けです。
2014年に2クールで放送された「WIXOSS(ウィクロス)」の劇場版です。約90分。
殆ど本編の総集編ですが、本編では消化不良だったり語られぬ事情が分かり、物語は真の完結を見ました。
…本編視聴済みが前提、一見さんには意味不明なので、オススメしないです。
逆に原作ファンならば必見です!ウリスたん主人公です。くぎゅうううう!
{netabare}『物語』
本編では語られなかった、くぎゅ声の邪悪なルリグ・ウリスの人間時代の過去と歪んだ情念が明かされる…。
………。さ、さすがはマリー脚本えげつない…。琴浦さん1話前半ばりにえげつない…。
何気にるう子の家庭環境もヒドイ、流石は「ここさけ」の脚本家…。
幼い日の留未(後のウリス)の絶望が、希望を憎み破滅を求める過程は圧巻。
※絶望した少女が、純粋な善性を持つ親友少女を憎む…
2016年秋放送中の新シリーズもこの流れを踏襲するのかな?(まだ2話、さてどうなる…)
幼き日のるう子も登場、後にるう子のベストパートナー「タマ」の由来も分かり、本劇場版を踏まえると、本編のるう子とタマの出逢いシーンも、新たな感慨が湧きました。
るう子にとって、タマとの出逢いは本当に大切だったと分かります…。
序盤以降は本編の総集編に移行しつつ、やはりウリス視点の破壊願望を中心に、セレクターバトルに翻弄されるセレクター少女たちのドラマが高速で流れていく。
遊月の禁断の恋や、一衣の孤独など、総集編でも十分伝わりました。
…あと、あきらっきーのハジケっぷりも健在、コワイ。
セレクターバトルも本編より熱いです。これは総集編を比較的飽きさせなかった。
やはり見所はウリスの壊れた願望が、セレクター少女たちのささやかな希望を踏み躙っていく残酷展開。
他者との繋がりを徹底的に拒絶するウリスのバックボーンの説得力が強烈な為、セレクターとルリグの絆が脅かされる怖さにゾクゾクする。
ただ、本編の良コンビだった一衣&緑子、ちゆり&エルドラ組の出番がアッサリなのは勿体ない。
…そこは本編で補完しつつ、ウリス色に染まった総集編を観ていくと、WIXOSSは「少女たちの絆の物語」なのかな~?と思いました。
冒頭の留未と幸(さち)、その後のるう子とタマの話から、絆の尊さを感じる。
「幸から棒を一本取ると辛になる」と親友を拒絶する邪悪な言葉も、逆に取れば「合わされば幸になる」みたいにも取れますし。
歪んていても、ある意味百合かも…尊い。
ウリスとハレナの対決が、実は因縁深かった…のが、分かり難いのは残念。
せっかくのウリス編ともいえる劇場版の重要シーンなので。
本作はウリスの物語ならば、もっと幸との関係を掘り下げてほしかった。
そして劇場版のハイライト、ラスト15分の追加シーン素晴らしいです。
本編では完全には語られなかったルリグたちのその後、そしてウリスの救済…
真の意味でのハッピーエンド!感無量です。
この真ラストを観れただけでも、この映画は値千金の価値がありました。
…これにて物語はひとまず完結。
だが!2016秋、新たなるセレクターバトル勃発。
今度はどんな絶望見せてくれるのか…。
『作画』
やはりキャラデザ好みです。
セレクターバトルの迫力も凄い。
ウリスの顔芸もコワイ!
『声優』
釘宮理恵さん、ウリスの邪悪さがヒシヒシと伝わる熱演が圧巻でした。
この邪悪さ(とかわいさ)は他では代替出来無さそう。
幸の日笠陽子さんの無垢系も絶品。
相変わらず声優陣の熱演が光る、特にあきらっきーの赤崎千夏さんの迫力はやはり凄まじい。
加隈亜依さん久野美咲さんは、未だにWIXOSSがベストキャストだと思う。
『音楽』
テーマ曲「Love your enemies」流石にWIXOSSの雰囲気伝わってくる。
音響がセレクターバトルを盛り上げてました。
『キャラ』
ウリスが主役でした。かわいいなぁ(錯乱)
少女が、どれだけ絶望すればこれ程の狂気に陥るのか…
全てを壊したい情念は共感はできませんが、分からなくもない(ところが恐ろしい)
でも。やっぱり彼女も寂しかったんでしょう。
それがチョロイと思わせないだけの説得力が良かった。
劇場版で登場した幸は、序盤以降のドラマが薄いのが残念。
幼女時代、天使だった…。
あきらっきーは相変わらずでした。かわいいなぁ(錯乱)
これ程イカれていても、相対的にウリスよりはマシな辺りが、WIXOSSって怖い。
るう子はダイジェストな中でも結構しっかりと主人公していた。
タマとの絆はやはり尊い。
花代さんと緑子は後日譚良かったです。
「オラキター!」が無かったのは残念w{/netabare}