101匹足利尊氏 さんの感想・評価
3.1
物語 : 2.0
作画 : 3.0
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
ゲームする時はキャラを大切にしなきゃと思いました。
原作カードゲームは未プレイ。
正直、設定はガバガバだったと思いますw
特に記憶という根幹を成す要素がブレていたのがある意味凄いですw
例えばゲームを通じて記憶が欠落していくのは、
自分の人格が変容してしまう、もの凄く怖い状況のはず。
けれど、その描写を引き受けたのが基本的に、
千夏に想いを寄せていた元サッカー少年一名だけという濃淡の極端さw
結局、セレクターバトルに関わった人間はみな不幸になるわけですが、
翔平少年の場合はこれに脚本上の不遇ぶりが重なり、
不憫で仕方がありませんでした。
もしもこのイカれたゲームからみなが解放される日が来たら、
すず子より、千夏よりまずこの少年から救ってやって欲しいと願います。
今期のラスボスも、結局、みなを不幸に落として弄びたい系のキャラ。
弄ぶにしても、『selector』シリーズでは禁断の女の園に迷い込んだような
甘美な魅力を男である私は感じていました。
けど本作の“ブックメーカー”は男w
彼の遊び方は悪趣味に感じましたw
また本シリーズではよくバトルを際どい下ネタ風味で表現する言動がありますが、
男もセレクターとして参加した本作にて、
それを男女間で「やりたい?」とか駆け引きされると何だか下品に感じましたw
“ブックメーカー”の性根がねじ曲がった原因は謎のままでしたが、
彼が元々セレクターの駒である“ルリグ”だった点は考えさせられました。
このシリーズではしばしばルリグがバトル中に意に反した行動を、
プレイヤーであるセレクターに強要される描写がありますが、
結構、残酷だと思っていましたし、そこから新たな闇が生まれてもおかしくないとも感じていました。
ビデオゲームでもプレイヤーキャラを駒として左右できる全能感に浸る時が多々あります。
さらにエスカレートしたプレイヤーの中には、
自身の操作キャラを痛め付けた動画をアップする病んだ方もいたりします。
ゲームの世界だからといって、手札としてキャラを好きにして悦に入っていたら、
いつの間にかセレクターとして“ブックメーカー”に駒として好きにされかねないw
ゲームする時は、少しだけ肝に銘じておこうと思いました。
“ブックメーカー”は自分が楽しみたいだけのゲスでしたが、
ゲスなりにゲームを盛り上げようとしていたのも確か。
その中で千夏に、契約取らせて、精神を消耗させて楽しむ悪趣味に、
ちょっとだけゾクリとしてしまいましたw
近年、色んな美少女が、不条理な契約に弄ばれ、傷付いて来ましたが、
少女を営業側にするのは、妙な味わいでしたw
千夏ちゃん……悪い意味で就職率が高そうですw
ところで、はんなちゃんが手を袖ですっぽり覆う制服の着こなしが妙に気になりましたw
もしかしたら手を外気に出せないような理由があって、
記憶を奪還したらトラウマがエグい映像と共に蘇るのでは?
とビクビクしていましたが、違いましたw
あれも新たな制服ファッションのトレンドなのでしょうかw
【二話迄の感想】構成・脚本が女性から男性へ変った影響がどう出るのか?
{netabare}
前シリーズ『selector』はTVアニメ版、劇場版共に視聴済み。
その前シリーズで、脚本・構成の岡田麿里さんを始め、
女性スタッフならではの脚色という感想を抱いた私としては、
本シリーズで脚本・構成が男性の土屋理敬さんになり、
世界観・物語がどう変化するかに否応なく注目してしまう新シリーズ。
当然、これ『selector』と違うじゃんwという苦情は出るとは思いますがw
私としてはその違いも楽しむスタイルで視聴を継続して行きたいと思います。
で、二話迄の感想。
{netabare} やはり、作風の変化を感じる滑り出しでした。
『selector』では砕けそうになる或いは砕けた乙女心の心象が随所に散りばめられ、
それが日常シーンでの壊れたオルゴールの如きサウンドから
バトル空間でのエッジの効いた電子爆音という
振り幅の極端な音響にも現れていました。
本作も同じ女性音響監督の元、バトルシーンでの電子音響という流れは共通。
ただアレンジは『selector』が変化球なら『Lostorage』は直球勝負といった感じ。
より普通のBGMに落ち着いた印象。
カードバトルシーンにおいても『selector』では、
これWIXOSSの販促になるの?と心配されるくらいルールが見えませんでしたがw
『Lostorage』ではそれなりにカードバトルのルールや流れも見せて来ます。
そして何より、セレクターバトル史上初めて?
男性セレクターが登場。
ルリグは相変わらず女の子ばかりですが、
男の私としては違和感も感じつつも、
やっと仲間に入れてもらえた感じもして、ちょっと嬉しかったりw
『selector』は揺れる乙女の心象に注目する一方、設定には割と粗も目立ちました。
一方の『Lostrage』は時間制限なども設けて、
記憶を賭けたバトルに挑まざるを得ない理屈を用意する。
ダブル主人公を打ち出して、キャラ描写に濃淡が出たり、
視点があちこち飛ばないように整理していく。
こうした設定の引き締め、制御の意志は感じられました。
これで作品が安定して面白くなるのか。
それとも前シリーズまでの理屈では割り切れない
乙女たちの禁断の精神世界を覗き見るような
毒気が抜けてしまってつまらなくなるのか。
はたまた努力も虚しく結局、設定に矛盾が多発して墜落してしまうのかw
この辺りが私の注目点になりそうです。 {/netabare}{/netabare}