Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
3.6
物語 : 3.5
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ターゲットは77期生…人為的絶望が彼らに襲い掛かる…
この作品は「ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生 The Animation」の続編に位置する作品です。
この作品と同時に方向された「未来編」と合わせてみると、より内容が理解できると思います。
物語は、74期生として学園を卒業した雪染ちさが、77期生の副担任になるところから始まります。
1期や未来編で登場した苗木や霧切さんが78期生なので、一年上の学級という事になります。
78期生も超高校生揃いでしたが、77期生も負けず劣らず個性派揃いです。
この作品で希望ヶ峰学園の構図が明らかになります。これまでの作品は超高校級の生徒にばかり触れてきましたが、この学園には超高校級の生徒が入学する本科以外に「予備学科」が存在しています。
特別な才能を持っていなくても入学できる代わりに、高額な学費を支払わないとで在学できない学科なんです。
でも在学中に才能が開花すれば本科に転科できるというシステムや学園のネームバリューから予備学科には本科以上の学生が在籍しています。
誰にも負けない自分自身の唯一無二の才能…誰だって憧れますよね。
そういう人の心の隙をついたビジネスが成立する時代でもある、という事がいえます。
一方、本科の学生は勝手し放題…自分の才能さえ伸ばせばあとは何の縛りも無いのだから当然といえば当然です。
でも、元超高校級の「家政婦」である雪染ちさがその愚行を許しませんでした。
最初は強引にクラス全員を出席させるところから始め、それを定着させていく…
雪染ちさの努力の甲斐があって、クラスに全員が揃うようになり、超高校級の「ゲーマー」である七海 千秋が学級委員に選出するという、超高校級でありながら普通の学校生活の楽しさも感じられるようになっていったんです。
ちょっと前からみると凄いクラスの変わりようですが、それが雪染ちさの才能なのでしょう…
中でも一番彼女に触発されたのは、学級委員になった七海 千秋でしょう。
もともと引っ込み思案な彼女は全然クラスに溶け込む事ができませんでした。
そんな彼女がクラスを纏めようと一生懸命尽力するんです…
クラス全員が「自分たちは一つになれる」事を実感した瞬間だったと思います。
何人たりとも自分の前を歩かせない…そんなクラスのみんながこぞって七海を推したんですから…
実はこういう展開…ムッチャ好物なんです…もうウルウルで視聴していました。
その頃、予備学科設立に真の目的や、超高校級の「絶望」である江ノ島盾子の登場により、一気に状況が変わっていきます。
江ノ島盾子は自らを超高校級の「絶望」として、様々な企みから人を陥れようとします。
そのやり方には一切の慈悲は無く、相手が最も嫌がることを最も嫌がるやり方を選択するんです。
彼女が生まれ持った「超分析力」が、より酷い方に導いていくんです。
本来、絶望とは「希望を全く失うこと。望みが絶えること。」であって、壊す事じゃありません。でも、江ノ島盾子は平然と壊し続けるんです。
中には「絶望」ではなく「ただの一方的な暴力」にしか見えない場面もありました。
例え希望を失っても、壊れていなければまた立ち直れます。立ち直ったらそこから希望に向かって歩いていく事だってできるんです。
でも「壊す」という事は人からそれすら奪う事なんです。
人として他人に干渉できる範疇を大きく超えている彼女を見ているのは正直不快でした。
その気持ちがピークを迎えたのは、七海 千秋と雪染 ちさに対する仕打ちを見た時…
特に七海…何故彼女がこんな仕打ちを受けなければいけないの、と思うと悔しくて涙が溢れて仕方ありませんでした。
みんなのところに行きたい…彼女の思いはそれだけなのに…
でも…七海は決して絶望はしていなかったと思います。
そうあって欲しいと願うばかりです。
オープニングテーマは、binariaさんの「カミイロアワセ」
エンディングテーマは、狛枝凪斗の「絶対希望バースデー」
オープニングの作詞:Annabelさん、作曲:やなぎなぎさん、は初めて見る組み合わせなので新鮮さを感じました。
1クール11話の作品でした。レビューを書くためにwikiをチラ見して気付いたのですが、未来編と絶望編はもともと一つの作品を1話おきに分割してできた作品のようです。
1話から23話まで、1,3,5,7…の奇数話が未来編で、2,4,6,8…の偶数話が絶望編になっているそうです。
そういう視点でこの作品を視聴してこなかったので、リアルタイムで視聴している時に知っていれば見る順番も考えたのに…と思いました。
そして全ては「希望編」に繋がっています。
どの様な結末が待っているのか…視聴するのが楽しみです。