ふの人 さんの感想・評価
3.7
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
痛快!労働SF?
織田先生のキャラデザに惹かれて見始めたのですが、
全く持って予想していたただの宇宙SFものでは無かった…。
今までにこれほどまでに企業の思惑というものが前面に出た
SF作品というのもなかなか珍しかったりするのではないでしょうか?
アニメ版「半沢直樹」とまで言えるかどうかはちょっとわかりませんが、
あの手この手を駆使して苦難を乗り越え、逆にそれを押さえつける勢力の姿は
実に痛快で終始次はどういう手を駆使してくるのかが楽しみでなりませんでした。
とりわけ労働組合と管理職の関係などは「ああっ、そういう手があったか…!」
みたいな顔をしてみていましたね。
現場と経営陣、そして政治的な思惑までが絡んだ複雑な人間関係は
正直学生よりも社会に出ている人達の方が楽しめる内容だったように感じました。
特に自分のようなモノづくりの現場に居た人間にはなかなか心が熱くなるものがありました。
しかしその反面なぜ最終話の切り札が独立だったんでしょう…。
正直霧科グループから独立するという発想はA-TEC解体という話が出た時点で
普通に考えられなかったのでしょうか…。
ただ、ミズキたちが高校生という特別なポジションであることを考えると
霧科を離れる=退学、即ち高校中退という事態なのではないかと思うので
なかなか学歴という面を考慮してしまうと踏み出しづらかったのでしょうか?
とはいえそれ以上の技術力を持ったA-TECの面々ですから、
そう思うと早い所スポンサーを見つけ出しさっさと独立してしまった方が
通常の社会の流れとしては一般的だったのかな…と思えます。
まぁでもそれでは物語が成立しない訳で、あっという間に最終話となってしまいます。
奮闘する中でもともと敵対関係だったナギサとアンジェリーナ達とも打ち解けていく光景は
実に良いものでしたし、物語としてはとても素晴らしいものだったと思います。
独立後のA-TECの物語は気になる感じもありますがあえて無い方が良いのかもしれません。
ただ、まだまだ霧科経営陣との対立は続きそうな事を示唆する描写があったので
果たして今後のA-TECは一体どうなってしまうのか…、やっぱり気になる…。