askima さんの感想・評価
4.7
物語 : 5.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 5.0
状態:観終わった
非の打ち所がない、新海誠作品で過去最高
新海誠と言えば、現実に非現実をはめ込む作品が特徴です。短編なんかだと何気ない日常を素敵に描いてるのもありますけどね。
登場人物たちは総じて詩人のような語りが多くて、そんな自己陶酔にも似た作風が本当に好きです。
風景の描写で新海誠作品に勝てる作品があるのか疑うくらいの綺麗で素敵な作画です。
さてさて、君の名は。の作品内容のレビューは各メディアやブログ、ツイッターなんかでもかなり出てるので、ここでは私の思ったことを書いて行きますので、あまり内容へは触れません。
既に本作の内容からはずれてますが、これも自己満足で書いているので良かったら最後まで読んでください。
君の名は。を正直映画館で観るつもりはありませんでしたが、余りにも評判が良かったのでびっくりして見に行きました。何がびっくりしたかって、新海誠の作品は一部のコアなファンから支持は得られるものの、大衆には受けにくいと思っていたからです。
だって新海誠の作品は、青春の恋物語の要素が多いにもかかわらず、最後はすれ違いが多いでしょ?切ない気持ちになって余韻に浸る感じも悪くはないけど、こう言うのは大衆受けしません。
だから君の名は。もきっとそんなんだろう、と高を括っていましたが、どうやらそうじゃなさそうだ、と世の中や大学時代の友人から聞きまして、そんなに感動的なら観に行くしかない!と決意して横浜ブルクに行きました。
既に10月に入ってたので公開から日は経っていましたが1番大きいスクリーンで、有給使って平日の昼間に行ったのに8割くらい埋まってるとか、どんだけ人気があるんだ、と驚きました。
一緒に行った友人達は既に複数回観てるとのことだったので、リピーターもそれなりに含まれているのでしょう。
何回か観ても視点を変えたり、結末がわかってるからこそ楽しめる伏線があって楽しいみたいです。
そもそもの作品が良いから何回も観れるのが大きいと思いますが。
私もまた観に行きたいのですがパパは平日も休日も大忙しなので、見返すのはBlu-rayを買ってからにしようと思います。子供が大きければ一緒に映画館へ行きたかった所ですが、それは子供が成長してからのお楽しみにしておきます。
ここからは個人的な主観に基づいて感想を書いていきますが、ネタバレを含みます。
{netabare}
新海誠作品では人間の描写が正直余り上手くなかったのが、ほしのこえ、雲の向こう、秒速、子供、言の葉、その他短編を経て君の名は。では違和感なくなりました。
むしろ三葉めっちゃかわいい。
作風もこれまでのポエム調から素直な日常へ変化してましたね。ここは残念でもありましたが、内容が良かったから気にしません。
新海誠らしさとしては、現実の風景を忠実、それ以上にアニメーションに落とし込んでいるのは相変わらず健在です。
新宿の汚い、と言ったら怒られますが、特に変哲のない風景がとても魅力的に見えます。新海マジックと言っても過言ではありません。
満員電車ですらかっこよく見えるのも本当にすごいと思います。
そんな何でもない日常に彗星の要素を入れてファンタジーを合わせることで視聴意欲を掻き立てて来ます。
更に今までなかったギャグ要素まで入れて来てるし、これまでの作品とは一線を画しているのは間違いありません。
物語の核となってるのは恋愛ですが、これまでの作品で行くとどうしてもバッドエンドに近い終わり方をすることが多いので、今回もひやひやしながら後半は見てました。バッドエンドフラグ立てすぎでしたが、これについては観て結果を確かめてください。
ついでに花澤香菜が出てるのは知ってましたが誰の役だろう、と思ってたら学校の先生でした。映画を見ている最中はふーん、としか思ってませんでしたが、エンドロールでゆきちゃん先生って書いてあって、言の葉の庭の田舎に引っ越したあのゆきちゃんか!と映画が終わってから大興奮しました。
前作からの繋がりは初めて?だと思います。他にもどこかに繋がりがありそうなので、Blu-rayでチェックです。
{/netabare}
10年以上前にほしのこえを見たから今見たらどう感じるかは分からないけど、新海誠作品はとにかく風景の描写がどれも卓越して素晴らしい。
人の描写も進化してるので、もはや背景だけと言われることはないでしょう。
どこかの売れない漫画家が自慢げに、「売れる要素だけを詰め込んでいて、プロの目から見ると全く面白くない。」とテレビで言っていたそうです。
この手のアホな発言をする人はいつも出て来ますが、面白いから売れているのであって、それにいちゃもんつけて批判するのはかっこ悪すぎです。
とは言え、これまではコアなファンに受ける作品が多かったのも事実ですから何とも言えませんな。
今後の新海誠監督の制作活動にこれまで以上の期待をしつつ、君の名は。のBlu-ray発売と次回作の発表を心待ちにしたいと思います。
映画のその後が気になって仕方なかったので、小説には続きがあると聞き買ってしまいました。
まだ読めてませんが、こちらも楽しみです。