こたろう さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
原作の良さは鉄板
タイムリープを扱ったSF・・・ですが、どちらかといえは青春モノです。
原作は日本が誇るSF作家、筒井康隆のティーンズ向け小説(当時のラノベみたいなものです)。過去に原田知代が主演で実写映画化されて大ヒットを飛ばしています。
青春映画の大御所、大林宣彦監督の「尾道三部作」の1作として、いまでも根強い支持者がいる名邦画です。
本作はその原作のリメイクではなく20年後の世界、続編という設定。
原作の感覚ではさすがに現代の若者には理解しづらいので、この「20年後」という設定は良かったと思います。
細かいギミックや、高校生のライフスタイルなど、現代風になっていますが、肝心のストーリーの大綱は原作を踏襲している構成でした。
続編というより、「もう一つの時をかける少女」という様相です。
元々がイイので、それを大きく変えないのは正解。
それでいて、原作とは異なる、現代風の明るく元気タイプの主人公はカワイイです。(アホな事に能力を使いまくりですがw)
正直、キャラクターでは、原作(原田知代が演じた映画版の主人公)より圧倒的にこちらの方が魅力的。
雰囲気の作り方も実に巧み。
言葉で表現しづらいですが、なんというか、大林監督の尾道3部作の世界観の中に、ちゃんと現代の女子高生がフィットして存在している感覚。
上手いなぁ、と感嘆します。
SF的にみれば、結構ご都合主義的な部分が多くパラドックスもありますが、それでも充分に面白い。
SFといいながら、そんなに難しくないし、ライトなノリなので誰でも楽しめる作品になっています。
よく出来た映画が見たい!という方、手堅いですよ、コレは。