「劇場版 響け!ユーフォニアム ~ 北宇治高校吹奏楽部へようこそ ~(アニメ映画)」

総合得点
72.2
感想・評価
317
棚に入れた
1728
ランキング
1192
★★★★★ 4.1 (317)
物語
3.9
作画
4.3
声優
4.0
音楽
4.3
キャラ
4.0

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ネタバレ

東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

本来、劇場版がノーマルでも不思議ではない作品です

1期視聴済。

劇場版は総集編で1期を視聴した方は特に鑑賞する理由はないかもしれません。
それでも、シネマで観るメリットはよりブッラッシュアップされた作画の圧倒的な迫力、特に京アニの総力を挙げた演奏シーンは圧巻以外で形容する言葉が見つかりませんし、音響がまるで違うことに尽きます。

私にはガルパンをシネマで観るのと、テレビで観るのとの相違同様、この作品にも映像と音響で大き相違を体感し、内容の簡素化よりも劇場版ならではの迫力ある醍醐味を楽しむことができました。

放送版オリジナルは延べで4時間半近く。
それを100分に縮めるのですから、編集は苦労したと思います。

{netabare}放送版の5話まではかなり駆け足で進みますので、チューバ君のキャラが空気化したり、今後の展開に関係がない久美子と葵のエピソードを端折るのは致し方ないでしょう。
編集カットは最後の演奏シーンの途中からカメラワーク切り替わった点を除いて、物語のポイントは全て押さえ、オリジナルの構成を可能な限り壊さずに総花的ともならずメリハリをつけて手堅くまとめた高い完成度だったと思っています。
さらには劇場版に合わせ、セリフも再収録ですから。
中世古がリベンジで手を上げたときの、中世古の表情を俊逸な作画で表現し、控えめなセリフながらもその表情からみなぎる決意は並々ならぬことを観客に印象づけ、続く中世古と麗奈の再オーディオションは、中世古が麗奈の実力を認めソロを譲りデカリボンの号泣に至るまでのシーンはテレビとは段違いの緊張感と迫力と演技で否応にも感情移入を誘われました。
久美子が泣きながら橋を走るシーンは、彼女の悔しい感情が観客席まで飛び出してくるような臨場感がありました。
この作品は名場面が多すぎて全てを語りますと相当の長文になりますけど、どの名場面も放送版とは迫力が段違いです。
映画のラストは放送版OP曲主題歌「DREAM SOLISTER」のフルオーケストラバージョン。
私が観た映画館では上映終了後も余韻に浸っていたのか、すぐ離席をする方はほとんどいませんでした。
そういえば、再オーディション決定後。デカリボンが空教室に行く描写がありますけど、そこに2期第1話で物議を醸す鎧塚がいて、デカリボンと会話しているシーンがありました。
次のデカリボンと麗奈とのやりとりがあまりに印象的でしたので、鎧塚とのことはたいした意味がないと流し見でしたけど、今、考えると思いっきり伏線だったんですね。
1期で回収しきれていない伏線はまだまだあるはずですので、2期を御覧になる方は、1期は必見です。{/netabare}

この作品が多くの方々から支持される理由は、主人公の久美子がどこにでもいる優柔不断な普通の女の子で、等身大のキャラであることが感情移入を有利作用にしていると考えています。
さらに、滝の指導を通して生徒個々が様々な壁に当たりますけど、生徒自身が困難を克服していく成長物語でもあり、そのプロセスも現実性を外していない。
大多数の視聴者は内容は違えど学校生活で似たような体験をしていることも共感を得易い点ではないでしょうか。
酸いも甘いも、物語で繰り広げられる群像劇は、誰しもが青春時代に似た体験があることとも思います。

私もジブリやディズニーなど含め相当数の劇場版を鑑賞しましたけど、ここまで完成度が高い劇場版は指折り数えるほどです。
もし、この作品が劇場版のみでしたら「君の名は。」を超えている作品であると個人的には思っています。

上記を踏まえ、2期を視聴していきたいと思います。

投稿 : 2016/10/12
閲覧 : 542
サンキュー:

46

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