RFC さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
成すべきことのために
まったくノーマークだったのですが、
キャラデザが好みだったのでなんとなく視聴開始しました。
【作品概要】
第二次世界大戦前のヨーロッパの話です。
史実とは異なることを明確にするためか、
国名が微妙にすり替えられています。
ドイツ→ゲルマニア
イギリス→ブリタニア
など。
ゲルマニアがヨーロッパ各国を占領し、スイスのあたりにある
エイルシュタットという小国に攻め込むあたりから物語は始まります。
エイルシュタットの皇女フィーネは子供の頃に出会った魔女イゼッタと
共に、大国の侵攻をどうやって食いとめるかが描かれています。
【作品に対する感想】
自分の望む事のために成すべきことを、
それぞれの人がそれぞれの思惑で行い、時に命を落とす。
命の儚さや尊さを感じる良作でした。
大義や信念が好きな方にはお勧めです。
戦争ものとしても十分リアルに描かれているせいか、簡単に人が死んでいくので、
苦手な方には辛いと思います。
1)物語
世界観や設定は凄くよかったと思います。
ゆえに2クールくらいでじっくり書き込んでほしかった。
1クールに詰め込んではもったいないレベルだったと思います。
特にゾフィーの憎しみの書き込みが薄くなってしまったのがもったいなかったです。
{netabare}
最後の着地点ですが、「世界の魔力を枯渇させることで魔女を魔女でなくす」
という方法が取られました。
確かにクローンにより魔女が増産され始めたことにより、
ゾフィー(魔力の出口)を一つ倒したとしても意味がなくなってしまいました。
他に代替案があるのかと言われれば難しいのですが、素晴らしい
エネルギー・力を無駄に廃棄することでしか戦争を終わらせることが
出来なかったというのが、人類の愚かなところですね。
なんともやるせない終末だったと思います。
{/netabare}
2)声優
ベルクマン少佐の諏訪部さんの軽薄な演技が最高でした。
3)キャラ
①フィーネ
フィーネは成すべきことをしっかり行う立派な指導者です。
またその対価に自分を差し出すこともいとわず、
犠牲の重さもその身に受け止める高潔な人物でもあります。
そんな彼女が時折見せる個人としてのフィーネがまた可愛い。
②イゼッタ
自己犠牲を厭わず、子供の頃の恩を胸にフィーネ(国)のために戦う魔女。
健気な半面、やや盲信的な印象を受けました。
(作中ゾフィーにも言われてましたが)
③ジークハルト
成すべきことのために揺るがない優先順位を持って動いていた男。
機密保持のために味方を射殺するシーンで冷淡な人物なのかと思いましたが、
フィーネと同じく痛みを受け止め、感情制御している人でした。
{netabare}感情が最期に命取りになってしまったのですが。{/netabare}
4)作画
箒ではなく対物ライフルに乗ってバイクのように戦場を駆け巡る
魔女というのが強烈に印象付けられました。
魔女の力は念動力なのですが、剣をファンネルのように操って闘う
姿は実にカッコよかったです。
また、既存の兵器軍のリアリティも凄かったと思います。
5)音楽
ED「光ある場所へ」が重厚で良かったですね。