Ka-ZZ（★） さんの感想・評価

4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態：観終わった

オカ研での活動と冒険心が手繰り寄せた真実に繋がる道…

この作品の原作ゲームは未プレイですが、グリザイアの楽園の放送終了から暫く経った後、天衝監督からこの作品のアニメ化の話を聞いて放送を楽しみにしていた作品です。
何と言ってもKeyと天衝監督のコラボ…これが気にならない訳がありません。
そしてキャストの方々が発表され、花澤さん、斎藤さん、喜多村さん、すずきさんが出演される事を知り余計に視聴が楽しみになりました。

この物語の主人公は、風祭学院高校に主人公・天王寺瑚太朗…どこにでもいる普通の高校生という感じの彼の周りで心霊現象の様な不可解な出来事が起こり出し、対処方法についてオカルト研究会の会長である千里朱音に相談したことをきっかけに、オカルト研究会として謎の調査に乗り出すところから物語は始まります。

もともと規模の小さかったオカルト研究会ですが、瑚太朗が入会する際に知り合いに声を欠けた事から、会員は一挙に増加する事となりました。
オカ研の会員を以下に記載しますが、公式HPのキャラ紹介でそのキャラの特徴をうまく捉えた一言が記載してあったので合わせて紹介させて頂きます。

天王寺 瑚太朗（CV：森田成一さん）「やり直すんだ。そして次はうまくやる。」
神戸 小鳥（CV：斎藤千和さん）「前向いて、生きてきなよ。欲しかったもの、手に入れながら。」
鳳ちはや（CV：篠宮沙弥さん）「そういう言い方するから、私はあなたが嫌いなんですっ。」
千里 朱音（CV：喜多村英梨さん）「ここがおまえにとって良い場所となれば良いわね。」
中津 静流（CV：すずきけいこさん）「お庭でおべんとー食べよう。ふたりで。」
此花 ルチア（CV：朝樹りささん）「いつかきっと、この手袋を取れる日が来ると思うから。」
そしてオカ研会員ではありませんが、彼女の存在無しにはできません。
篝（CV：花澤香菜さん）「良い記憶は、悲しいものであってはならない。」

瑚太朗以外は全員女の娘で、しかも「超」が付くほどみなさん可愛らしい…ところは触れないでおきます…羨ましいだけですから^^;

物語は、オカ研で瑚太朗の身の回りで起こる超常現象を調べつつ、ヒロインを一人ずつ深堀りしていく形で進んでいきます。
すると見えてくるのが普段オカ研では笑顔を見せてくれているその内に、これまでの人生で課せられた重荷を背負わされている…という事です。
ここで描かれていたのはとても想像する事なんかできない凄惨な過去…

誰にだって触れて欲しくない…土足で上がり込んで欲しくない一面があります…
決して自分の責任…という訳ではありませんが、記憶が無意識に言動の邪魔をしてしまうんです…
だから…触れたくない部分に蓋をしてこれまで生きてきました…それが楽だったから…

でも、オカ研での活動が…何とかしたいという思いと縒り合って事態は思わぬ方向へと転がっていく事となるんです。
最初は何を言ってるんだろう…と思いました。
目の前には人ならざるモノによるオカ研最大のピンチが広がっていたというのに…
一つ間違ったら命だって落としかねない状況だったのに…
引かれた線は消えることなく痛む袂…
でも完走して振り返ってみると、これすら序章でしかなかったんですね…

物語の進展に伴って明るみに曝け出される凄惨と抑圧が入り混じった過去…
全てを飲み込むくらいの勢いは、高校生でなんとかできる範疇を遥かに凌駕しています。
出来るのは、自分の信じた道を進む事…
時間は、もうあまり残されていないかもしれないけれど…
キラキラと輝く光の中で何を思っていたんだろう…
願いは叶ったのかな…？

きっと違う…願いも叶っていないし、思いも届いていない…
だから瑚太朗は言ったんだ…「やり直すんだ。そして次はうまくやる。」

オープニングテーマは、水谷瑠奈さんの「Philosophyz ～TV animation ver.～」と熊木杏里さんの「End of the World」
エンディングテーマは、水谷瑠奈さんの「ささやかなはじまり ～TV animation ver.～」と「闇の彼方へ」、やなぎなぎさんの「恋文」と「偽らない君へ」、北沢綾香さんの「サンブライト」、多田葵さんの「Word of Dawn」
1クール13話の作品でオープニングが2曲にエンディングが6曲って気合の入り方が半端ありませんね。
歌姫カナリヤ擁する「クオリディア・コード」ですらオープニングとエンディング合わせて5曲だったのに…
お気に入りは「Philosophyz」と「Word of Dawn」の2曲です。

1クール13話の物語でしたが、13話終了後に2ndシーズンが2017年1月から放送される事が発表されたのは朗報です。
だってKeyの神髄である「泣きゲー」要素にまだ触れていませんから…
全ては2ndシーズンで明らかになるのかと思うと視聴が待ち遠しいです。
涙腺にガツンと来る展開を期待しています。