シャンゼリゼN゜5 さんの感想・評価
3.8
物語 : 3.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 3.5
状態:観終わった
崩れてしまったマクロスメイク
2016年マクロス。
ストーリーの風にのった歌と戦闘シーンのレイヤード描写は、気持ちを高ぶらせてくれてとてもよかった。
そして歌うアイドルユニットは、メリハリのあるキャラ立ちと年齢感が垣間見えていたり、オンとオフの切り替え具合のギャップもあって魅力的。
歌にしてもかなりクオリティの高いものが多くて、歌唱力も抜群。もちろん、本格志向からキャラ感志向といったそれぞれ異なった歌唱感はあったものの、上手い下手ではない歌唱個性として成立していたと思えたし、それによってのリアリティ感もあったかな。
だけど、その評価もあくまで物語とのシンクロしているからこそなものだから、そこがぶれてくるとどうしても陰りが出てきてしまう。
アニソンにおけるメリットにもデメリットともなり得る宿命なのだけど、マクロスは話の核となる部分に歌の要素が強くあるわけなので、殊更にストーリーの善し悪しの影響をまともに受けてしまうかも。
本作品においては、ややデメリット方向に向かってしまった感が強いかな。
ストーリーの中盤から、なんか主目的みたいな本筋がぶれて、構図のメリハリがなくなってしまった印象。
さらに展開において重要となる得るそうなKEYはいくつも出てきてはいたものの、そのベクトルがどこか違う方向へ散ってしまいました。
こうなってしまうと、もうお話のまとまりがなくなってきてしまって。
最期は異なったベクトルが同じタイミングで着地するわけなので、やっぱり無理やり感が強くなってしまいますよね。
序盤から中盤くらいまでは、その完成度の高さに魅了されて夢中になっていたし、ワルキューレも大好きだったのですけど、気が付けば惰性でみるだけの作品に。
前半と後半とでは同じ物語とは思えないくらい評価が変わってしまっていました。完全にメイク崩れした感じで、なんか残念です。