シロシロ さんの感想・評価
4.6
物語 : 5.0
作画 : 4.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
最小限の内容で最大限の意味
アニメというジャンルを超えてものすごい名作になってます。
昔は良かった。夢や希望に満ち溢れていた時代です。家に帰れば あたたかな 食事、家族が待ってます。物は無いけれど、人の温もりがある、幸せな時間をもう一度。
と思っているのが今作の敵役です。
そして今作の主役は、確かに昔は良かったと思いつつも、今を幸せに生きようとする人。昔を知らず今を生きている人です。
今でこそノスタルジーの代名詞的な今作ですが、この作品が素晴らしいのは単なる『ノスタルジー=懐古主義』昔は良かったで終わらない所です。
昔は良かったと過去を肯定しながらも、そこに戻るのでは無く今を受け入れ、明日へと進んで行く。
ちゃんとこの先を提示しているという事です。
辛いこともあるかもだけど、自分やすぐそばにいる誰かの為、進んで行かないと本当の幸せは無いんじゃないかと。
ここが他のノスタルジー作品と決定的に異なる部分だと思います。
話の前半は笑いやアクションもあり、後半はエモーショナルな場面もあり、クライマックスは主役と敵役が対峙しますが善と悪という構図では無く、どちらも幸せになりたいという思いがそこにはあります。
劇中に流れる曲も素晴らしいです。昔は良かったんだなと本当に思わせます。
そんあ過去も現在も受け入れ、今とこれからを生きるという話を他の映画よりも短い89分で見事に描き切ってます。