ato00 さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
虹に黒を差し<追記;18話に想う>
このフレーズ、後期オープニングの一節。
華やかだけど、どこか一点もやもやしたものが残る。
そんな感じの物語です。
ゼロから始める異世界生活。
なんだか楽しそうと思ったのが大間違い。
異世界に放り込まれた主人公昴が死して、時間を遡る。
いったい何回死ねばいいのか主人公。
大抵の死がグロいし、痛い。
ちょっと滅入りました。
ストーリーは先が読めなくて、観るのが楽しみでした。
もっとも印象に残ったのが、昴の話し方。
テンポある明るいもの言いは、頭の回転の良さを表しています。
メインヒロインはエミリアたん。
優しく清楚なハーフエルフで、誰にでも平等で接する。
昴が好きになるのも無理はない。
でも、昴がエミリアたんを想うきっかけの最初の出会いが、
死にもどりで無かったことになるなんて、ちょっと切ない。
それに、エミリアたんの出番は中盤以降激減するし。
どうも報われないメインヒロインです。
その代わりと言ってはなんだけど、途中から登場したサブヒロインが燦然と光っています。
その名はレム。
たぶん、この鬼娘はアニメ史に残る美しい心を持つキャラでしょう。
ある事件で昴に救われたのを境に、昴を激しく想う。
自分のエゴなんて全くない、常に昴中心。
命をかけて昴を守ったかと思えば、
昴が道を外した時には、優しい笑顔で包み込む。
こんな想われ方をした男は幸せでしょう。
なんて思ってしまった。
彼女のすばらしさはここでは言い尽くせないので、追記しました。
さて、物語は道半ば。
続編を期待してもいいかな。
<追記;18話に想う>
{netabare}暗から明へ、鬱から快へ、このアニメ最大の転機である。
絶望を抱えて戻った昴が、逃亡をレムに提案する。
昴の経験を知らないレムが見たものは、凄惨な表情で未来を語る昴。
だからレムは昴を敢えて受け入れない。
レムにとっては幸せな未来に違いないのに。
そんなレムが真っ先に考えるのは自分のことでなく昴のこと。
そんなレムの昴への純粋な想いが昴を変える。
絶望に打ちひしがれ、自己を卑下する昴。
しかし、レムの不動の想いが昴を優しく激しく肯定する。
過去にレムを救った昴を、英雄昴を。
そして、未来を明るく語るレム。
「レムは昴君を愛しています。」
「ここから始めましょう、一から、いやゼロから」
すべてを受け入れるレムは理想の女性像でしょう。
男性が愚かで身勝手であるからこそ・・・{/netabare}