ケンシロウ さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.5
作画 : 5.0
声優 : 3.5
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
進化した新海監督作品
新海監督の映画は全て視聴してきたので今作も視聴する予定ではあったが、
ここまで大ヒットするとは思っていなかった。
混雑が和らぐ辺りで観に行こうと思っていたら公開から1か月以上経過してしまった。
それでも平日にもかかわらず客入りは1か月経った作品とは思えないほど多かった。
新海監督といえばとてつもなく美しい映像を作ってきて、これほど綺麗なアニメを作る監督は自分は他に知らないが、
ストーリーはというとそれ程観客を驚かせるような作品ではこれまでなかったと思う。
それに対し今作は美しい映像はもちろん綿密に組み立てられたストーリー、脚本が秀逸だった。
伏線の見せ方、演出も見事だったと言うほかなく、
それが今までの新海作品とは大きく異なる点だったと思う。
そして「秒速5センチメートル」や「言の葉の庭」と同じく今作も歌を大きな見せ場で使用しており、作品を大いに盛り上げており、これも新海監督らしい点である。
良い映画を見た時に発生するあの何とも言えない心地よさをこの作品は感じさせてくれる。
ほぼ完璧な出来と言っていい今作だが、1点だけ言わせてもらうと
{netabare} 2人が互いを好きになる過程が省かれている点である。
心が入れ替わっている日常をダイジェストで流すシーンがあるが、
あの後の瀧がバイト先の先輩とデートする場面では既に好きになっている事を匂わせた演出がある。
あれだといつ好きになったのか?とやや唐突な感じが否めない。
もう少し2人が互いを好きになっていくシーンを入れておくか、または三葉を助けていく過程で好きになっていくという形の方がしっくりくる。
というより好きという表現をしなくても良かったと思う。
あれだけの出来事があった2人なのだから、ラストのシーンだけで2人の想いは視聴者に十分伝わるはずである。{/netabare}
少し意見してしまったが今作が傑作という事は間違いない。
普段アニメを観ない友人が3回観に行った程である。
アニメ好き、そうでもないに関わらず映画として老若男女が大いに楽しめる作品だ。