STONE さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
不安だが、見届けたい先行き
メタ的に1期から11年も経っているせいもあるのだろうが、劇中でもある程度の年数を描いて
いるため、感じるのは龍宮島の時の流れとそれに伴うキャラ達の成長振り。
劇場版において西尾 里奈ら、真壁 一騎の後輩達が戦いに加わったが、本作では更に次の
世代である鏑木 彗らが登場。この辺は龍宮島に住まう者の思いが引き継がれていることを
感じる反面、新たに死地に赴く者が現れたことでもあり、なんとも複雑な感がある。
それに伴って先輩世代は頼もしさを感じるのだが、視聴している側としては親のような
気持ち。
これは中の人的もそんな印象で、1期放映時は若手声優だったキャストが現在ではベテランの
頼もしさを感じる反面、1期放映時は声優デビューを果たしてなかった島崎 信長、石川 由依、
小野 賢章の三氏が、本作の新世代ファフナーパイロットであったりと、なんか感慨深いものが
あったり。
これまで龍宮島の対立概念であった人類軍だが、龍宮島に同調するグループ「ペルセウス
中隊」が登場したのが本作のエピックといった印象。
そんなペルセウス中隊のファフナーパイロット達は一騎を英雄視していたのだが、1期を視聴
していて、真壁がどんな思いで戦っていたか、更に「MAKABE因子」ができるまでの
いきさつなどを知っていると、内と外の見方の違いになんとも言えない気持ちになってしまう。
このペルセウス中隊を助けるべく遠見 真矢らが島外に赴く。これまでも苦闘といった印象の
強いファフナーでの戦闘だが、母体である龍宮島から遠く離れた戦闘は更に心細さのような
ものを感じる。
いわゆるロボットバトルものとしてはこれまでで一番良い印象。
単純に時を経て作画が向上しているというのもあるのだろうが、再びファフナーに搭乗する
ことになった一騎と、これまでと違い前線に出ることになった皆城 総士や、SDP発揮後の
龍宮島のファフナーパイロットの強さは見ていて小気味良い。
ただ、強さを得るとそれなりの代償を支払うことになるのがこのシリーズで、なんとなく
不安感を感じていたら、終盤に案の定といったところ。
ペルセウス中隊の旅、人類軍の動向、より狡猾になったフェストゥム、SDPがパイロットに
与える影響など、今後が不安で仕方なく、決して楽しい作品ではないが、とにかく先行きが気に
なる作品。
時折描かれる日常シーンだが、龍宮島が田舎然としているせいか、他作品のシリアスバトル
もののそれに較べて、一昔前のホームドラマ感があるのがちょっと面白い。