こたろう さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
何かと高水準
SFファンにも、そうでない方にも評価&人気が高い本作。
近未来を舞台にし、電脳化・義体化(脳の情報の電子化とサイボーグ化)という行為が行われる社会での犯罪に関わるお話が中心となった骨太な内容です。
映画版の「GHOST IN THE SHELL」も原作も知らない状態で、あえて何の事前情報も仕入れないで視聴してみました。
専門用語とか難しいかな?とも懸念しましたが、全然大丈夫でした。ストーリーを追っていくうちに自然と理解できます。
ストーリー構成は基本的に1話完結。
ですが、本ストーリーとも言える『笑い男事件』にまつわるエピソードは全編に渡って各所に散りばめられているため、1話完結型の淡白さは感じられません。
1話1話が独立しているようで、色んなところで繋がっている構成はさすがによく出来ています。
ちょっと難解な世界観と事件カラクリですが、コツコツと少しずつ笑い男事件の情報を出してきているので、理解不能になることもなく、後半のドラマが大いに盛り上がる。シナリオを作る仕事の丁寧さの賜物です。
作画についてもハイレベルです。
ドンパチやるアクションの迫力や、メカニックの動きも文句なし。2002年とは思えないほどに高質です。
演出の工夫も随所に散見されます。
途中、殆ど会話だけで終わる話が2話ほどあります。(笑い男事件についての話。タチコマというA.I.たちの自我についての話)
会話だけなんてつまらない感じですが、これがよく出来ていて全然飽きない。そのうえで「会話」という形式をとることで説明臭さをキレイサッパリ払拭してます。
視聴者に理解してもらうために解説がどうしても必要になるというSFの泣き所を、実に巧みに解決している手腕はさすがです。
昔の大定番刑事ドラマのような魅力的で多彩キャラクター達が織り成す本格SF社会派サスペンス。
見所満載ですので、是非ご視聴いただきたい一作です。