「狼と香辛料(TVアニメ動画)」

総合得点
89.4
感想・評価
4753
棚に入れた
23408
ランキング
80
★★★★☆ 4.0 (4753)
物語
4.1
作画
3.9
声優
4.0
音楽
3.9
キャラ
4.2

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ネタバレ

どらむろ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

中世ヨーロッパ風ファンタジーで商業&ラブコメ。賢狼ホロが超可愛い名作です。

電撃文庫のライトノベル原作、1期2期合わせて26話。
中世ヨーロッパ風の世界で、行商人の青年ロレンスと、遥か永き時を生きる狼の化身(美少女)ホロが、軽妙なやりとりでラブコメしたり、経済や商業の仕組みを見せてくれたり。
「商業」「経済」を描いた異色作としての面白さもさることながら…
ホロが抜群にかわいいです♪
…名作。おすすめです。

※レビューは1期2期を纏めて書きます。

{netabare}『物語』
中世ヨーロッパ風なラノベのファンタジーは多けれど「商業」「経済」がテーマの珍しい作風。
「まおゆう魔王勇者」との差異は「未来知識チート」ではなく「登場人物たちの等身大のドラマ」な点。
ロレンスやホロの策はメタ的には未来知識だけど、作中ではそうは感じさせぬ感じがミソ。

ファンタジーながら、ホロが狼の化身以外は殆ど異能要素無く、割とリアルな中世の商取引ドラマ…
なんですが、ロレンスがホロと出逢うシーンなど、かなり幻想的で美しい。
中世(北ドイツ)の雰囲気、世界観の構築が良いのも名作の予感十分。

ラブコメとしては、ラノベに珍しい「大人同士の関係」が軽妙かつ言葉の駆け引きに小気味よい緊張感があり、飽きさせないのが非常に魅力でした。
…遥か悠久を生きてきた賢狼ホロは「一神教普及以前の古き者」の象徴、作中の時代は教会勢力の力で変革しつつある。
そんな移り行く人間たちを見て、年長者の超越した視点と寂しさを感じている(であろう)ホロが、合理主義者(でも甘ちゃん)な青年ロレンスとの出逢いで見せる、様々なリアクションの可愛さが見所。
やりとりの軽妙さも魅力で、恋も、パートナーとしても、関係性の変化がいちいち楽しい&萌え。
ロレンスも大人だけどまだまだ甘ちゃんなので、賢狼に弄ばれちゃう。
「ラブコメ」ながら二人ともちょろいようでいて、ちょろくない。でも惹かれ合っている…
大人なようでいて、実は初々しい。
そんな絶妙な距離感がステキでした。
…2期、次第にホロの孤独や弱さが見えてきて、商業バトルの最中にふたりの絆が試される流れも緊迫感あり、それ以上に「ホロが可愛い!」
ロレンスとホロの旅は終点が決まっており、旅が進む程に切なさが増してくる。
揺れ動くふたりの気持ち。旅路の果て、ふたりはどうなるのか…!?

経済ドラマとしては。
金貨や銀貨の貨幣価値の決まり方や、取り引き相場の仕組みなど、(初歩的ながら)経済・商取引の仕組みを分かり易くテーマにしたドラマが面白いです。
モチーフである中世ヨーロッパで発展途上の経済システムの穴を、知恵を絞って突いていく(メタ的には近代知識も)攻防が熱い。
商業でバトル!ロレンスは賢いが肝心なところで抜けているのでピンチ多い。
その過程でホロとの関係も揺さぶられ、ラブコメもハラハラ&ホロ超かわいい!に繋がる展開も見所でした。
…ここら辺はあくまでも初歩、ご都合主義やホロ大暴れなどの切り札もありますが、ライトなドラマとしては問題なし。
あんまり専門的な事やられてもエンタメ的に面白くないので。


ラブコメ以外では、虚々実々の裏切りや陰謀のオンパレードで気が抜けない。
それが駆け引きやドラマを生み終始飽きさせないです。

…ラブコメ&商業作品として知られてますが、もう一つの側面
「宗教(一神教)」
との関わり方も本作の特徴でした。
人間たちが一神教に染まる以前の、遥かな時を生きてきた賢狼ホロの視点で、(中世ヨーロッパのカトリックがモチーフの)教会に感じる違和感を率直に描写。
ホロの見解は多分、大多数の日本人がキリスト教(特にカトリック)とその文化に漠然と感じている違和感を、代弁してくれている。
決して否定的ではなく、ホロはまるでお婆ちゃんが若者文化に触れて素直に面白がっている感じ、そこにユーモアと優しい視点が感じられるのが良いです。
(日本人だって、別に嫌ってはいまい。ただ「奇妙で面白い」んですよ…)

教会に冷遇されている、羊飼いの少女ノーラのエピソードが好き。
規律破って一世一代の金儲け…それが少女の自由と夢をかなえる道を拓く。
直接バトルするわけではないけれど、結構痛快でした。
…ラブコメ的にも、ノーラを意識して少しスネるホロ可愛い♪

その前のクロエとのエピソードも、古き者(日本人から見ると親しみ易い)ホロと、新しき価値観(一神教)の葛藤がドラマを生んでいる。
…それはともかく。クロエちゃんかわいいのにコワイw


総じて良質なファンタジー&ラブコメ&商業ドラマでした。
アニメは原作の序章なので、ふたりの旅はまだ続く…。
もし3期があれば、またホロとロレンスに会いたいものです。

…余談。ホロ垂涎の「桃の蜂蜜漬け」に憧れて、桃缶にハチミツかけて食べてみた事あるのですが…ダメだ甘ったるくて全然美味しくない。
色々試して、缶詰の白桃(黄桃よりは向いてるっぽい)を自家製梅酒に漬けてみたところ…ん?おいしいような?微妙なような。
いや実は検索するとレシピは分かるんです。でも、安上がりで自分なりに作ってみようと思って。
…いや待てよ?桃の缶詰は既に完成された美味しさなのでは?
ホロに桃缶あげたら喜んでくれるかも!?



『作画』
ホロが非常に可愛い。悪戯っぽさ含めて喜怒哀楽の表情全てが萌え。
クロエもノーラも女性陣軒並みかわいい上に、胸があまり大きくない!
いいですね~♪(アニメにありがちな巨乳好きじゃないので)
中世ヨーロッパの風景描写も非常に良し。
作画レベルは抜きん出ているわけではなくても、絵的に好きなので。

『声優』
ホロは小清水亜美さんのベストヒロイン、ホロの喜怒哀楽の魅力抜群でした。
ロレンスの福山潤さんの自信家に見えて初心な感じもはまり役でした。
ノーラの中原麻衣さんの可憐な感じも絶品。小清水さんとの掛け合い素晴らしい♪
大塚芳忠さんの渋さ等、ゲスト陣が豪華でした。
エーブの朴璐美さんのイケボもかっこいい。

『音楽』
主題歌は1期OP「旅の途中」が余韻があって一番好き。名曲です。
全般に中世を感じさせる雰囲気が良い感じ。


『キャラ』
ホロが超かわいいです。ケモミミ尻尾でスレンダーな美少女ですよ!
永きを生きた故の超越した態度、ありがちななんちゃって長命キャラとは一線を画している。
でも実は超さびしがり屋で甘えてくる…賢狼なので、計算ずくで。あざとい!
ホロの可愛さは自らの魅力を分かった上での老獪な計算…からの、孤独さと真実のデレでしょう。
商業だけではなく、恋も虚々実々…に見えてやっぱり超甘々じゃないですかー。
最初は若き人間の青年をからかう賢狼が、次第に本気で恋に落ちるこれが可愛くないはずがない!
…うーん、ホロは可愛いなぁ。

ロレンスはラノベ主人公には珍しい成人なので、ホロの悪戯っぽい駆け引きにも軽妙に応じる余裕が…あるような、無いような?
頼れる男らしさと、情けなさの狭間で揺れているのが魅力でした。

クロエさんは裏表の無いステキな女性です。(名塚佳織さん)
新時代への野心に萌えるもとい燃える、ロレンスの妹的な可愛さと思いきや…!?

ホロに次いで可愛かった、羊飼いの金髪美少女ノーラちゃん可愛いです。
可憐な容姿も、奥ゆかしい性格もめっちゃ好み。中原さんキャラで十指に入る可愛さ。
犬を使役する凛とした強さもステキ。
奥ゆかしいかと思いきや…ロレンスの提案に乗って教会の束縛から決別して見せる芯の強さも。

ゲストキャラは油断ならない奴と、クセ者だが頼れる人に分かれる感じ。
この世界で正々堂々とホロに恋したアマーティ君は貴重だったんですねぇ。 {/netabare}

投稿 : 2016/11/20
閲覧 : 362
サンキュー:

46

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