「バッテリー(TVアニメ動画)」

総合得点
57.5
感想・評価
331
棚に入れた
1377
ランキング
6971
★★★☆☆ 3.0 (331)
物語
2.6
作画
3.2
声優
3.1
音楽
3.1
キャラ
2.8

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Ka-ZZ(★) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 3.5 作画 : 4.0 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ラジオドラマ、映画、テレビドラマを経てアニメ化された作品…

この作品の原作は未読ですが、ノイタミナ枠という事で視聴を決めた作品です。
昔よく似たタイトルの作品「バツ&テリー」という漫画がありましたが、確かこれも野球を題材に取り上げていた様な記憶があります。
それに著者の名前も…同姓同名の女優さんがいらっしゃるのでとても覚えやすいですね。

この作品はタイトルにも記載しましたが、2000年にラジオドラマ化、2007年に映画化、そして2008年にはテレビドラマとして放送されたそうです。
これだけ数多くのメディアで取り上げられた理由は、原作の登場人物の心理描写が細かく、背景描写がとても美しいからなんだそうです(wikiより)。

この物語の主人公は中学1年生の原田巧…天性のピッチャーであると共に、コツコツと努力を積み重ねる天才肌です。物語は原田が新田市に引っ越してきて、同じく野球を志すキャッチャーの永倉豪と出会い、二人がバッテリーを組むようになり動き始めます。

ピッチャーとしての原田の才能はピカイチで、肩を並べる人はきっといないのでしょう。
そしてそれは原田自身も自覚しています。
でも、才能だけで勝てる程野球は甘くない事も知っているから研鑽を続けている…
それが彼の自信の源になっているんだと思います。

これまでの原田は不運だった…と言っても過言ではありません。
十分過ぎる才能があるのに、その才能を発揮できる場所が無かったから…
彼が一生懸命になればなるほど、球速が上がり捕手がボールを受け止められなくなる…

野球は一人でできるスポーツじゃありません。
どんなにピッチャーが凄くてもキャッチャーが取れなかったら試合には勝てないのです。
だからキャッチャーの力量に合わせて投球するのは、原田にとっての使命だったのでしょう。

それで試合に勝てたならまだ気持ちも救われます。けれど、もし負けてしまったらどう後悔して良いか分からなくなる様に思います。
「全力を出し切ったから負けても悔いはありません」なんて恰好良い台詞が言えないんです。
だって自分は全力じゃなかったから…

流石にこれを繰り返すと心が冷たくなるような気がします。
それが普段の原田のぶっきらぼうな態度に繋がっていた様に思えました。
永倉とバッテリーを組むことで、これまで蓄積された原田の不満が解消されれば…とずっと思いながら視聴していました。

でも陰で自分を追い詰めていたのは、永倉だったのかもしれません。
原田とバッテリーが組める…キャチャー冥利に尽きるとはこの事だと思います。
才能あふれるピッチャーの全力を受け止められるんですから…

でもそれは、永倉が原田に置いて行かれない様に全力で追い続けたから…
相手は自分より格上の天才…ちょっとでも気を抜いたらたちまち手の届かないところに行ってしまう…
そしたら自分はバテリーとして認めて貰えなくなる…それだけは絶対に嫌…

あるところまでは努力の範疇だと思います。
でもある一線を超えた先は努力ではなくただの無謀…
そんな気持ちで本当に野球が楽しめているのか…と考えると、苦しいとしか考えられません。

そしてこの作品を見て実感した事が一つ…
天才って加速するんだ…という事です。
触発されてそれをどの様に感じるかは人それぞれですけど…
それを目の当たりにして…そして次の一球は…
気になる方は是非本編でご確認下さい。

オープニングテーマは、「いつかの自分」
エンディングテーマは、「明日、春が来たら」と「若者のすべて」
3曲ともanderlustさんが歌っています。
お気に入りはオープニングです。エンディングの「明日、春が来たら」は、松たか子さんのデビュー曲でしたね。

1クール11話の作品でした。完走して振り返ってみると、原作通り細かな心理まで描写されていたか…というと少し難しかったと思います。
台詞の間や登場人物のちょっとした仕草で表現していたのかな…とは思いましたが、それで原作の描写が忠実に再現できていたか、と考えるとやっぱり難しかったと思います。
こういう打ち込めるモノに真正面から向き合う真面目な作品は個人的に嫌いじゃありませんが、視聴者を選ぶ作品…じゃないかと思いました。

投稿 : 2016/10/01
閲覧 : 298
サンキュー:

24

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