Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
キャッチコピーは「さあ、新しい物語を始めましょう。」
この作品の原作は未読ですが、天野こずえさんとサトジュンとの組み合わせは、私のイチオシ作品である「ARIA」と一緒…これが気にならない筈がありません。
原作は前から知っていたので「ようやくアニメ化が叶ったんだ…」という思いでいっぱいでした。
この物語の主人公は、かやのん演じる大木 双葉…中学までは東京に住んでいましたが、高校に入ると同時に伊豆に引っ越してきた女の子です。
恥しがり屋で引っ込み思案…自分の本音をさらけ出せず思いも伝えられない…
だからこれまで色んな事を諦めてきて…気付いたら諦める事に慣れてしまっていた…
そんな彼女でしたが、高校の同じクラスとなった小日向 光…通称「ぴかり」との出会いが、大木 双葉…通称「てこ」を大きく変えていく事になるのです。
きっかけは、ぴかりの趣味であるスキューバダイビング…ここから、「ぴかり」と「てこ」の物語が動いていきます。
この物語は「てこ」の変化を軸に人と人の繋がりや優しさを、サトジュンが作り出す温かさと情感豊かに描かれているのですが、原作者と監督に相性があるなら天野さんとサトジュンの相性は抜群なんだと思います。
日常系の作品なので派手な演出はありませんが、作画、SE、そして独特の間も全て絡み合ったその瞬間の一つ一つから温かみをひしひしと感じるんです。
そしてこの作風にかやのんの声質もベストマッチ…「たまゆら〜もあぐれっしぶ〜」や「ARIA THE AVVENIRE」にも出演されていましたが、サトジュンの作品に欠かせない声優さんだと思います。
改めて「人との出会い」の大切さを感じます。
てこはこれまで諦め続けてきました…でもそれは「本当に大切」なモノじゃなかったから諦める事が受け入れられたんだと思います。
もともと引っ込み思案で自分から行動を起こすタイプではないので、探せなかったのかもしれません。
でもそれは中学までのてこ…
高校でぴかりに出会い、てこは「初めて」をたくさん貰いました。
最初はマイペースなぴかりに乗せられていただけかもしれません。
でも自分で動いてみて感じる事…動かなきゃ感じられない事ってあると思うんです。
そんな中、てこはスキューバダイビングと向き合う事になるのですが、中学までの彼女だったらキチンと向き合えなかったでしょう…
海の中の神秘的な世界…確かに魅力的ですが、海はどこまでも深く呼吸ができない場所…
一歩間違ったら命を落とす危険だってある…
それでも向き合えたのは、彼女の中で明確な目標があったからにほかなりません。
目標や夢…人はそれを叶えるために頑張る事のできる生き物です。
漫然と生きているだけでは夢や希望は叶えられません。
そしてそれらは大切なモノとイコールだと思うんです。
てこが一番変わったのは目標を持ったこと…そして大切なモノを大切だと口にすることが出来るようになった事だと思います。
てこの周りにはそれをしっかり受け止めてくれる仲間がいたのも、彼女の変化に拍車をかけています。
この作品は日常系の作品だと前述しましたが嬉しいサプライズも用意されています。
個人的には、てこの中学時代の親友と声優さん…一声聞いた瞬間に頭の中に
色々と浮かんできちゃいました^^;
オープニングテーマは、坂本真綾さんの「Million Clouds」
エンディングテーマは、てこぴかりの「ふたり少女」
どちらも甲乙付け難い良曲です。
1クール12話の作品でした。てこの事ばかりのレビューになってしまいましたが、ぴかりの元気さも口癖の「うぴょー」もお気に入りです。ぴかりの声優さんは鈴木絵理さん…ふらいんぐうぃっちの千夏ちゃんを演じられている声優さんだったんですね。
「ARIA」好きには外せない作品だと思いました。
てこは最初の一歩を踏み出したばかり…これから彼女がどの様に変わっていくのかが楽しみな作品です。
続編…あるなら絶対見ます!