シャベール大佐 さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
大人でも楽しめる子供向けアニメ
土曜の朝に放映していた子供向けアニメ。
なかなか面白かったです。
中学2年生の少女・マリが、タイムトラベルを繰り返して過去の偉大な科学者たちと出会い、科学の歴史上で重要な進歩や発見の瞬間に立ち会う様子を描くことで、少女の冒険物語的な面白さと、科学の勉強にもなる内容を上手に両立させていました。観ていてなんとなく連想したのは、シュテファン・ツヴァイクという作家が、世界の歴史を動かした十二の運命的な瞬間を描いた「人類の星の時間」という本で、こちらはそのテーマを科学の世界に限定して子供向けアニメにしたような感じかなと思いました。
過去パートの出来事を現代の普通の中学生の生活と結びつけられるような工夫もされていて、科学者が信念を持って研究に打ち込み、困難にも挫けず立ち向かう姿を通して、科学に限らず、自分の好きなことを見つけて一生懸命努力することの大切さが感じられるように描いていたのも好感が持てました。
また、そのように教育的に良い作風だからといって別に説教臭いような雰囲気は感じられず、物語全体を通した事件に主人公たちが巻き込まれるような展開もあって、普通の娯楽アニメとしても気楽に楽しめます。全12話で8人の科学者とその業績を紹介しつつ、ストーリーのほうも最後綺麗にまとまっていました。
声は、主人公・マリが豊崎愛生、その親友・ワカに寿美菜子、戸松高垣も脇役で出演ということでスフィアの4人が揃っていて、特にマリの演技は良かったと思います。
基本的に子供向けなのは間違いないですが、大人でも十分に楽しめる作品でした。タイムトラベルをして過去の偉人と会うという形式は、科学に限らず他のいろいろな分野でも使えそうなので(タイムトラベル少女~マリ・ワカと8人の音楽家たち~、とか)、こういう作品をシリーズ化してくれたりすると嬉しいです。