シャベール大佐 さんの感想・評価
3.3
物語 : 2.5
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
序盤は期待できそうな雰囲気
高校2年の主人公・高宮菜穂が、10年後の自分から届いた手紙をもとに、後に自殺してしまうという転校生・成瀬翔(なるせかける)を救おうとする、といったストーリー。
最初に1話を観たときの印象では、ちょっと切なくて悲しい青春ドラマになりそうに感じられて結構期待したのですが、観続けているうちに期待は段々と萎んでいき、最後までいちおう観続けたものの、結局かなり残念な作品という感想になってしまいました。
いちばん良くなかったと思うのは、翔の人柄に全く魅力が感じられなかったことです。最初の数話の段階では、とりあえずイケメンでどこか影のような部分がある転校生というくらいしかわからず、これから徐々に翔の内面の長所が描かれていくのだろうなと思っていたら、物語が進んでいっても結局外見くらいしか長所が見当たらず、逆に面倒くさいやつという悪い印象がどんどん強くなっていきます。翔を救う物語なのに翔に全く好感が持てないのでは、その物語に共感できるはずもありません。また、菜穂がイケメンの翔を好きになるのはまあ理解できるとしても、友人たちも必死に奮闘する姿は、まさか男が翔の外見に惚れるわけもなく、いったいどこにそれほど惹かれる要素があったのだろうと不思議に思ってしまいました。さらに、10年後には菜穂と須和が結婚していて子供までいるという設定も、菜穂と翔の恋を素直に応援できない要因になっていました。
あずさを中心とした日常のちょっとした会話の様子、舞台となる松本の風景、OP曲やED曲など、ストーリーと直接関わらない部分には青春アニメらしい雰囲気が感じられて良いところもありました。
個人的には、作品の細かい部分の欠点ならある程度は大目に見て楽しむことができたとしても、この作品のように根本の部分に共感できないとなると、なかなか難しいものがあると感じました。