Socrates さんの感想・評価
3.0
物語 : 1.5
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.0
キャラ : 2.0
状態:観終わった
ラノベの枠を超えられはしない
私がこの作品を視聴した理由はただ一つ、界隈で話題になっていたからです。恐らくは毎期一つは存在するラノベ原作アニメの覇権枠作品であろうという予想の元視聴しました。ラノベ原作アニメはそのほとんど空気と化す中、『涼宮ハルヒの憂鬱』に始まり、『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』『僕は友達が少ない』『やはり俺の青春ラブコメは間違っている』『ソード・アート・オンライン』『働く魔王さま』『ノーゲーム・ノーライフ』『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』等々話題になる作品が毎期一つは現れます。数打ちゃ当たるっていうやつですね。
肝心の感想ですが、まぁこんなもんかな、という感じです。所詮はラノベ原作アニメ、なろう係作品の枠を超えられはしないありふれた作品の中の一つです。上に挙げたラノベ原作アニメ派遣作品と比べると少し劣るほどです(SAOは個人的に好みでありませんが)。2クール分の時間を返せとまでは言いませんが、2回目の視聴は決してありえないでしょう。
物語はタイムリープ物ですが、他に『シュタインズ・ゲート』や『時をかける少女』などの傑作がありますし、この作品にオリジナリティーを感じることはなく、平凡なものでした。キャラクターは一部魅力的なものもいましたが、主人公の不快感は凄まじく、ヒロインは空気で青髪のメイド一人が目立っていました。ただし、声優の演技と作画に関しては一部優れている部分もあったと思われます。
この作品はが今期の派遣作品とまでは言えずとも話題作になれたのは、他に優れた作品が存在しなかったのが大きな要因でしょう。60本近くも作品が作られてこれより優れたものがないというのは非常に由々しき事態だと感じています。また、キャラクター(主に青髪のメイド一人ですが)が可愛く、SNSやpixivで話題になったというのも一因だと思われます。
この場を借りて不満を述べますが、ここ最近のアニメの質の低下は顕著なものがあり、90年代の作品から視聴していた身にとっては本当につまらない作品で溢れかえっています。どれもこれもありふれた内容で、ただ数を増やしただけ。これに満足している人間の方が多いということなんですかね。
アニメの視聴層の変遷もあると思います。今アニメを見ているのはスマホネイティブの小高学年から中学生・高校生がメインでしょう。ネットのまとめサイト等普段から見ていて、その評価に振り回されている層ばかりだと思います。彼らにとっては今の作品が基準なわけですから、そのレベルの作品でも満足できるのでしょう。ある意味羨ましいです。
私は別に昔の作品こそが至高、今の作品はまるで駄目というようなことが言いたいのではありません。しかし、現在『攻殻機動隊SAC』や『プラネテス』、『コードギアス』のような作品が年に一本作られていますか?300本近いアニメが毎年作られているのにそれらに匹敵する作品がここ数年一本もないというのはおかしな話です。
アニメに高尚なものを求めることがおかしい、硬派な質アニメを見ていることにステータス感じているだけなどと言われますが、本当に面白い作品がそれらであるのだから仕方のないことです。頂点を知ってしまうとそれ以下の価値がなくなってしまうというのは悲しいことですね。
思いつきで書き殴ったので支離滅裂な文章になっていると思いますが、私が言いたいのは、これだけ話題になっている作品がこの程度なら今後アニメに期待するものがなくなってしまう。そうならないためにもアニメの質向上のためにアニメ業界の体制を根本から作り変える必要があるということです。
恐らくこのレビューを見たほとんどの人(現在の主要なアニメ視聴層)にとっては不快で意味のない文章だったと思いますが、同じようなことを思っている数少ない人が見てくれれば幸いです。