Spica さんの感想・評価
4.7
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.5
音楽 : 5.0
キャラ : 5.0
状態：観終わった
新海誠監督のファンでいて良かった
男女の恋愛間の違いを繊細で美しい作画と物語で創り上げた「秒速５センチメートル」に出会った当時、こんなにもリアルな世界を表現できる人がいるなんてと衝撃を受けた…もうあれから１０年経とうとしているのに忘れられない。今回の新海誠監督の作品も私にとって忘れられない作品になった。
前作の「言の葉の庭」よりもさらに進化して磨きのかかった作画、都会や田舎の風景はもちろんのこと、登場人物の部屋においてある家具や様子まで登場人物の性格に合わせてしっかりと描かれていた。そして、誰も予想しないような意外な展開をみせ、ただの入れ替わり作品だけでは終わらない物語。多少、どうして？と疑問も持つ場面もあったが、十分に楽しめた。
そんな中で、彼の作品として意外だと思ったのは今までの作品の中にはあまり観られなかったコメディ要素が今回の作品に含まれていたことだ。日常の忙しさにようやく区切りがついて映画館に足を運べるようになる今日まで、アニメ映画に対して辛口な友人、アニメを観ない友人を含めた複数人から「面白かった」と聞いた。普段アニメ映画を観ない人にとって、とても親しみやすく、楽しめる作品に仕上がったのではないかと思う。
あの花やとらドラ！で有名な田中将賀さんの豊かな表情をみせるキャラデザ、この作品をさらにもりあげるRADWIMPSの楽曲はともに素晴らしかった。アルバムがアイチューンのランキング上位を占め続けるのも頷ける。
また、彼の作品を観てきた人にとっては、サービスの多い作品だったのではないだろうか。こちらはネタばれ注意です。
{netabare}「言の葉の庭」より三葉の古典の先生だったゆきちゃん先生、スポンサーでもあるZ会のCM「クロスロード」よりZ会のポスター。これは本当にあくまで私個人的考えだが、大成建設より瀧の志望している職種が建設会社。{/netabare}
本当に素晴らしい作品だった。新海誠監督がテレビのインタビューにこたえてる姿や、他の作品をメディアが取り上げているのを観て、嬉しい気持ちでいっぱいだ。これからも彼が世界にどんな衝撃を与えるのか楽しみだ。
