岬ヶ丘 さんの感想・評価
3.6
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 3.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
これがアイマスというものか
アイドルマスターシリーズ作品は本作よりも先に、「アイドルマスターシンデレラガールズ(以下SG)」を視聴済み。どうしてもそことの比較から評価してしまうが、個人的には本作のほうがすっきり物語を楽しめた。
まず第一にプロデューサ(以下P)について。本作のPは、シンデレラPよりフレンドリーで親しみやすいキャラクターになっている。終半天海春香の異変を感じながらも、怪我でフェードアウトとなり少し頼りない印象もあったが、全体的には好印象だった。
第二にアイドル。SGと同じく個性豊かなメンバーがそろっている。SGでは途中からたくさんのアイドルが登場し、混乱してしまって物語についていけない部分があった。しかし本作では基本的に一貫して、メンバーたちの成長をしっかりと描いている。お当番回もしっかりとあり、演出もわかりやすく見ていて純粋に楽しい。千早の過去に関してはかなり重たかったが、個人的に千早が復帰する回の力の入った演出はお気に入り。終盤の春香の葛藤もしっかりと表現されていて、キャラクターに感情移入ができる展開になっている。SGでも終盤、卯月が同様に悩んでしまうシーンがあるが、そちらよりも本作の方がキャラクターの心の動きを丁寧に理解できた。
第三に曲やダンス、また他のキャラクターについて。ダンスは手描きにもかかわらず、しっかりと動いており見ごたえのある内容。毎回EDも違う内容になっており、曲も豊富。意外だったのは女性アイドルものなのに、他の事務所の男性社長と男性アイドルの登場で、いいスパイスになっていたと思う。二つの事務所の対立の構図もわかりやすく、男性アイドルメンバーにも好印象。
全体を通して2クールという長丁場ながら、見事全力でアイドル達の姿を描き切っていると感じた。スタッフの作品の対する愛を強く感じる一作だった。アイドルアニメの代表格としてふさわしい内容になっていると思う。