我儘という正義 さんの感想・評価
4.2
物語 : 5.0
作画 : 3.5
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 5.0
状態:観終わった
自分を信じるという事
自分を信じていなかった人間の物語。
シロは「自分にはネジが足りない。でも足りないネジはクロが全部持っていた」と言った。
シロは自分を信じていた。
ネジが足りない所も含めて
クロは⋯
クロは信じていたのだろうか?
彼は彼の全てを信じていなかったと思う。
何も持っていないと思い込んでいたからシロという確実な物を守る事で自分を保っていた。
だからイタチはクロが信じなかったクロなのだと思う。
冒頭の炎は自分の心の暗喩だと思う。
遠くで見れば穏やかで単純に見える自分の心も、探ろうとすればする程暴力的な感情の渦に飲まれ見えなくなる。
でも、本当に自分を信じれるのは自分の痛みが分かるのは自分だけなんだ。
この事を忘れない欲しい。
最後にクロはシロを信じる自分を信じる事が出来た。
本来、それはきっとずっと時間がかかる事なのだと思う。
鈴木が最後に「愛と誠」でヘビを殺したシーンからネズミや鈴木が「愛と誠」を信じられているのは長く壮絶な人生で積み上げてきたからである事を想像する事は難しくない。
自分も痛い思いをしてでも少しづつ自分を信じていこうと思った。
難しいなら信じれる誰かを信じる自分を。
アニメ映画やOVAと言った単発アニメの中ではペイル・コクーンと並んで最高峰の作品だ。
余談だが、クロや木村の事が好きすぎるネズミが可愛い。
凄く共感出来るんですけどね。