Ka-ZZ(★) さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
「今日も一日がんばるぞい!」
この作品の原作は未読ですが、キャラデザの可愛らしさから視聴を決めていた作品です。
しかも「まんがタイムきららキャラット」に掲載されているとあっては、もう食いつくしかありません。
この作品の特筆すべき点は、キャラの作画の良さが際立っていた事だと思います。静止画で綺麗なキャラデザはたくさんありますが、この作品では動いてもキャラデザは綺麗で安定感があったと思います。
アニメーション制作は「動画工房」さん、これまでゆるゆり、未確認で進行形、干物妹!うまるちゃんなどを手掛けてこられた会社のようです。
この物語の主人公は涼風青葉…小学校の頃から大好きなRPGだった「フェアリーズストーリー」を制作しているゲーム会社に高校を卒業して入社するところから物語は始まります。
青葉は、女性ばかりのチームに配属されるのですが、そのチームの上司がフェアリーズストーリのキャラクターをデザインしてきてずっと憧れで目標だった八神コウだったんです。
職場の雰囲気も最高…何かと気にかけてくれたり、分からない事は何でも教えてくれる優しい先輩達に囲まれているんです。
自分が入社し立ての頃はどうだったかな…そういえば、パワハラだとかブラック企業とか厚生労働省の勤務管理に対する通達以前って、残業ばっかりだったし上司も普通に怖かったよなぁ…
仕事のノリは正に体育会系…「仕事は面白い」を念仏の様に唱えながら、仕事で死ぬことは無いからと馬車馬の様に働く毎日…そして全てにおいて仕事が優先される…
振り返ってみると、とんでもない会社みたいですが、あおの若かりし頃の踏ん張りがあったから今の自分があると実感しています。
事実、当時は入社3年で出来ていた仕事が、今では入社4,5年目で出来たら良い方です。
仕事する時間が減る分って、そのしわ寄せは必ずどこかに来ると思います。
この兆候は企業の発展を阻害する…? とも思えなくありませんが、何が正しいか明確な答えがある訳ではありませんので、きっと時間が答えを出してくれるのでしょう…
それでも青葉の入社した「イーグルジャンプ」で時間など気にせず、仕事に没頭しているのが八神コウでした。
女性ばかりの会社ならではのルーズさを最大限活用しながら、彼女はキャラ作りに没頭しています。
まるで八神さんの席だけが20世紀に取り残されているんじゃ…という錯覚も感じなくはありませんけれど。
結果を出す人の仕事に対する直向きさには、共通する部分があるように思います。
自分が作っているモノを手にとってくれる人に対して絶対に妥協しない…
その先には相手の喜びや満足があるから…
そしてみんな仕事が好きだという事だと思います。
八神さんが若くして脚光を浴びる理由…それは日々の仕事に対する積み重ねにほかなりません。
でも仕事への取り組み姿勢って何も一つじゃないと思います。
何も自分を鞭で叩き続ける事だけが仕事じゃありません。
少なくても与えられたノルマを達成したら、残りの時間の使い方は自分次第です。
だから、青葉のように周りを巻き込みながら一緒に頑張るのも全然有りだと思います。
そう考えると、青葉の周りは優しさで溢れていたと思います。
そういう職場環境…ちょっぴり羨ましいです。
そして青葉への優しさは社内に限った事ではありません。
新作ソフト発売前で社内全体が忙しくなってくる中、親友の桜ねねがデバッグチームのアルバイトにやってくるんです。
青葉とねねは「あおっち」「ねねっち」と呼び合う小さい頃からずっと一緒だった大親友なのですが、会社からの帰りも遅いし、休日も仕事に行く青葉がねねは心配で堪らなかったのです。
でも、そこで「ねねっち」は色々な事を目の当たりにしたと思います。
同じ年でも学生と社会人では立場が全然違うということ…
そして当たり前ですが、仕事は遊びじゃなく赤点じゃ無ければ良いという学生のテストとはスタンスがまるで違うこと…
でもこうやって親友が心配して見に来てくれるなんて…ホント二人の仲が羨ましく思います。
そういう関係って仕事によっては絶対作れない場合もあるので、ずっと大切にして欲しいと思います。
そして物語は無事新作ソフトを発売に漕ぎ着け、それぞれが新たな目標を胸に秘めたところで終幕します。
一つのモノを大勢の人が協力しながら完遂させる…仕事の醍醐味だと思いますが、それをしっかりと感じられた上、これからを漫然と過ごさないための布石が打たれましたが、どちらもとても大切な事だと思います。
何故なら、仕事というツールを使って自分自身を成長させるチャンスなのですから…
オープニングテーマは「SAKURAスキップ」、エンディングテーマ「Now Loading!!!!」
2曲とも本作の主人公とその同僚たちの役を演じる声優4人のユニットfourfoliumが歌っています。
1クール12話の作品でした。キャラデザが綺麗な内容も面白い…こういう作品はこれからもどんどん放送して欲しいです。思わず気になってwikiで調べたのですが、1期は原作の2巻までで原作は5巻まで発刊されているそうです。
ストック…あるじゃありませんか。
続編の制作を楽しみにしています。