東アジア親日武装戦線 さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
勝負好きにはたまらない展開
原作コミック読了。
2期は秋の選抜本戦から、スタジエールまで。
とにかく、この作品は勝負勝負の連チャンで30分はあっという間に過ぎ去ります。
引き込まれたいう事実だけで、理屈抜きで面白さは格別。
さらに、2期は1クールだったので勝負回の密度が1期よりも濃い。
料理を題材にしたアニメは数多くあるけど、映像のみで料理を伝えるのは実は結構難しいんです。
なぜならば、料理には香りがつきものであり、これがセットになっていないと本来映像では美味しそうでも、感動が感覚器官全てに伝わらない。
料理を左脳だけで理解しろといわれても限界があるんです。
料理を扱ったアニメが今一つ冴えなかったのは、人間の感覚的な限界にもよるものです。
本作品では完全とまではいかないまでも、美味しい料理の感激を「オハダケ」で表現したり、緊迫感をともすれば過剰とも言える凝った演出を駆使して、難しいといわれている料理アニメを成功に導きました。
更に料理アニメのハードルを上げているのは、繊細な作画が要求されることです。
出来た料理のみではなく、調理中の状況や感触を伝える演出、千差万別にある調理器具や器の作画、調理の微妙な動きなどこれら全てをクリアできるクオリティに自信がなければとても制作できるアニメではないです。
このアニメは絵が命で作画崩壊を起こしたら一発アウト、制作も物語同様に原画の一枚一枚で勝負を強いられるシビアな状況だったと思います。
そして、作品からは、制作現場の緊張感や息づかいも聞こて来る稀有な出来栄えです。
原画のアニメーターは実際に調理したり高価な和食、フランス料理を食べにいって相当散財したのでは。もしかしたら仕事を請負って赤字になったアニメーターもいるように気がします。
作画、演出、効果、音響、声優さん他、プロの仕事を完遂した制作スタッフの方々に万雷の拍手を送ります。
さて、1期から勝負三昧の創真ですけど、秋の選抜本戦でも初戦で手強いアリスを破り勝ち上がる。
準決勝、創真は食戟も兼ねた美作との対決で負けたら料理人を辞めると宣言。
アキラに負けた緋沙子はえりなに面目が立たなくなり、蟄居してしまうなど周囲ではハプニングの続出。
当のえりなは緋沙子の敗北をさして気にしている気配もなく、脳天気に漫画を読み耽ているところで、えりなの意外なオタク趣味が明らかになる。
創真は敗北が危惧されながらも美作のトレース戦術を打ち破り、決勝戦は進出。
しかし、リョウとアキラの対決は引き分けとなり決勝戦は三つ巴対決。
決勝戦の食材は秋刀魚。決勝戦前に築地でリョウとアキラに出合い秋刀魚の目利きの甘さに愕然とする。
しかし、転んでもただでは起きない創真は糠秋刀魚で勝負に出るもアキラに敗れる。
決勝戦の余韻に浸る間もなく、スタジエールが開始される。
最初の店である洋食屋は緋沙子と一緒になった。
創真を毛嫌いしている緋沙子何事にも非協力だったが、現場を的確に切り盛りする創真の姿勢にほだされ、協力して洋食屋を救う。
えりなの影響で一方的に創真を毛嫌いしていた緋沙子だったが、一緒に苦労したことで創真との距離が縮まる。
洋食屋のスタジエール終了後、創真は緋沙子の背中を押しえりなの元へ戻らせる。
これは11話ですけど、個人的に神回ですね。
無愛想キャラだった緋沙子の満面の笑顔どアップがとても可愛いかった。
恵推しだったけど、緋沙子に乗り換えるか真剣に悩んでいますよ。
それと、えりなと恵のコンビもあり、息詰まる勝負回が多かった2期ではほっと気が休まるオアシスのような回です。
11話だけ3回観ましたからね(笑)
次のスタジエールは1期で因縁のある卒業生四宮小次郎のフランス料理店。
ここで創真フランス料理の奥深さと自らの未熟さを徹底的に味合うことになる。
ポジティブ思考の創真はこれを飛躍のチャンスと捉え、最後には自らの料理で四宮小次郎はだけさせる。
しかし、プルスポール勲章受賞者の小次郎はオハダケだけでは良しとせず、自ら創真に料理の手ほどきをし、相馬の料理を自分の店のメニューにも載せる。
難関だった小次郎の店で及第点をもらった創真は、新たな飛躍へ向けて料理の腕を磨くことを誓う。
2期はここまでです。
原作では次は「月饗祭」から始まります。
3期が今から楽しみですね。