Lovin さんの感想・評価
4.2
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
観た感じ
■情報{netabare}
原作:夜宵草
監督:小坂知
シリーズ構成:横手美智子、兵頭一歩
キャラクターデザイン:山中純子
制作:トムス・エンタテイメント/だぶるいーぐる
話数:1クール全13話
OP:「ボタン」
by PENGUIN RESEARCH
ED1:「イージュー★ライダー」
by 奥田民生
ED2:「HOT LIMIT」
by T.M.Revolution
ED3:「タイミング」
by ブラックビスケッツ
ED4:「HONEY」
by L’Arc〜en〜Ciel
ED5:「これが私の生きる道」
by PUFFY
ED6:「Sunny Day Sunday」
by センチメンタル・バス
ED7:「サウダージ」
by ポルノグラフィティ
ED8:「雪の華」
by 中島美嘉
ED9:「There will be love there -愛のある場所-」
by the brilliant green
ED10:「明日への扉」
by I WiSH
ED11:「PIECES OF A DREAM」
by CHEMISTRY
ED12:「夏祭り」
by Whiteberry
{/netabare}
■感想
知識:原作漫画未読
鑑賞:TV放送
概要:未来型過去系
設定:ニートのおっさんは・・・
見所
1.この作品は原作漫画未読としているが、13話直前に原作と思しき漫画を発見、
既にこの作品を気に入っていた私は、145話を一気に読んでしまった。
因みに現在は146話目が公開されており、目が離せない展開となっている。
原作漫画もアニメの場合も、中心に描かれるのは面白い高校生達なのだが、
私がこの作品を気に入った理由は、色んな意味で「傍観者」を感じたからだ。
2.登場人物の中心は面白い高校生としたが、キャラは所謂テンプレかもしれない。
日代千鶴(ひしろちずる)と言う女子は、人付き合いが苦手で本人曰く「感情がバカ」らしい。
勿論そうなった理由はあるが、変わらねばならないと言う自覚があり頑張っている。
狩生玲奈(かりうれな)と言う女子は、一言で言うと「ツンデレ」と呼ばれるアレだ。
生来の負けず嫌いが災いして、何でもかんでも頑張り過ぎる部分がある。
玉来ほのか(たまらいほのか)と言う女子は、実は凄いポテンシャルを秘めている。
天然っぽく見えるが実は気遣いが出来て、自分のポストを譲るくらい優しい。
こんな三人が送るキャッキャウフフな学園生活、だったならここまで面白くはならない。
幾つかの波があり、それを乗り越えていく話だからこそ面白かったのだ。
3.大神和臣(おおがかずおみ)と言う男子は、勉学に関しては申し分ない秀才である。
だが空気を読むと言う点に於いては、小学生並みと言わざるを得ない(そしてピュア)。
朝地信長(あさじのぶなが)と言う男子は、身長が高く玉来の幼馴染である。
バレー部の居残り練習で遅くなる玉来を家までエスコートする任務が科せられている。
犬飼暁(いぬかいあきら)と言う男子は、ぶっきらぼうで玉来の幼馴染である。
多少過保護だが、こちらも玉来を家までエスコートする任務が科せられている。
原作の大神はしばしば主人公から「○○オーガ」とクリーチャー呼ばわりされるが、
朝地、犬飼辺りは玉来の出番が多くなるまでは殆ど発言しない。
夜明了(よあけりょう)と小野屋杏(おのやあん)という生徒達は、
設定に大きく関わるキャラなので詳しく解説はしない。
アニメの小野屋は見た目は可愛いと思うのに癇に障るキャラにしか見えなかったが、
原作を読んでみるとかなり違った印象だったのは意外だった。
因みに原作での小野屋はひしろん(日代)から三つ編みメガネと呼ばれている。
4.ここまで一切触れなかった主人公(海崎)についてだが、
原作を読んでしまった今の私には何も語る資格は無いと思っている。
アニメは夏休み明け初日で終ったが、二学期にも面白いエピソードが待っている。
そして最終話でサラリと明かされたあの事実に関するエピソードも待っている。
何より原作にはあった主人公やひしろんの心理描写がアニメには一部しかなかった。
これは販促アニメとしての性なのか、はたまた2期前提の描写なのか、
何れにせよ話として上手く纏めた感じはするが、作品の魅力はあんなものではない。
とは言え原作を読んだ立場として、そういう広がりを感じ取れる出来ではあった。
5.本作品のOPはオリジナルだと思うが、作風にもそこそこ合っており良曲だと思う。
しかしMDが登場する作品としては、EDのほうに少なからず感慨を抱いてしまう。
センチメンタル・バスとかブリグリとか、チョイスの基準はわからないが懐かしすぎる。
特に「大介的にもALL OK」とか「夏祭り」とかには疼いてしまう。
「夏祭り」に至っては眠っていたJITTERIN’JINNの
BEST盤を発掘してもう一度聴き直すくらいの衝動を覚えた。
6.色んな意味で「傍観者」を感じたと冒頭で書いた理由は、{netabare}
主人公は現役高校生の「傍観者」、夜明と小野屋はそんな主人公の「傍観者」、
そういう登場キャラの足掻く姿を観ている私も「傍観者」だということ。
そして私の立場はこの作品に限ったことではなく、過去に観たアニメ全てに言える事で、
夜明や小野屋に対して抱く嫌悪感がブーメランとして帰ってくることを知った。
そのブーメラン、上手く受け取って処理出来れば良いのだが、
改めて自分自身を考え直す機会を与えられた感じがして{/netabare}面白かったからだ。
7.前述の通りアニメは色々と有耶無耶のまま無難に纏められた。
それはそれで面白かったのだが、原作を読んだ印象からすれば本当に無難だった。
クライマックスは勿論ひしろん、狩生、玉来の友情が描かれる9、10話辺り。
確かにひしろんは可愛いと思うし、狩生、玉来の馴れ初めも面白かった。
だがやはり原作はもっと面白かった、かつ今正に面白くなっている。
■蛇足{netabare}
ファルコムに入社してY'sの続編を制作したかったので、
私は主人公に嫉妬のような羨望の眼差しを向けている。
{/netabare}