ブリキ男 さんの感想・評価
4.0
物語 : 3.5
作画 : 3.0
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.5
状態:観終わった
全農の提供によるショートアニメ。ゼウシくん、その正体とは…!?
全農の提供で公式動画がYouTubeにアップされているショートアニメです。現在公開されているお話は以下の通り。
1期:全12話(本編1分弱)
2期:全 6話(本編2分強、最終話だけ3分の延長版)
3期:限定1話(本編4分強)
※公式サイトにはゼウシくんのニクニクレシピも…。
お父さんとお母さんとミカちゃんの三人家族、三伊戸家(みーとけ)に、にくにくランドの王子様ゼウシくんとお供の牛のぬいぐるみ"みの太"がやってきた!(というか1話から既に居候扱い)
ギリシャ風のローブをまとったいで立ちからしてゼウス+ウシの"ゼウシくん"となれば、ぬいぐるみの"みの太"はミノタウロスの下略というネーミングの安直さ(のび太のアナグラムみたいでもある)、前者は駄洒落、後者は殆どオリジナルそのままじゃないか…(汗)タイトルロゴの濁点も神話におけるゼウスの武器"雷"をイメージしている模様。でも本編のゼウシくんのキャラとは何ら関係が無かったりする‥。
他にもにくにくランドの防衛大臣ぽせいとん、とりとん、ぷらとん、(全員ぶたさん。でも最後の人だけカテゴリがだいぶ違う…)とそれらしい名のキャラが登場。
1期の2話までは、焼肉のたれのCMみたいな販促色の強い作風ですが、3話「おにくしりとり」からはもうやりたい放題、ほぼ独断専行のゼウシくんと常識人のミカちゃんのすれ違い漫才が展開されます。
極めつけは7話の「牛乳たいそう」。後藤ヒロキさん演ずる牛乳屋"ぽしぶる先生"登場回。{netabare}「おめめがしょぼくれ平安京だゾ~!」と全く持って意味のワカラナイ台詞が飛び出したと思ったら、突発的に「ASAだ~」とテンションに拍車がかかり、キモチノワルイポーズと高速アクションが続き、半狂乱状態で牛乳の魅力を解説、そして最後は何故かゼウシくんも加わって楽しげにダンス。思わず「おかあさんっ!」と叫びたくなるミカちゃんの気持ちも分かります(笑){/netabare}
大山のぶ代さん、花澤香菜さん、内田真礼さんがメインキャラの声を努めるという豪華さも見逃せません。
ゼウシくんは丸々とした体型の純朴そうな男の子。無邪気で天然で大食いだけど、3期では「ケッ」とか言って妙なやさぐれ振りを発揮する場面も。底の見えないぼうやです。
そのお供の"みの太"はぬいぐるみなので、ほぼ喋らず、お肉も食べず、口を開いたかと思ったらモーモーと言うばかり。でもたまに心の声が聴こえます。優しい心の持ち主の様です(笑)演じている大山のぶ代さんはサブタイトルの読み上げもやっており、明らかにドラえもんを意識している口調。(本編にもウフフマートとかあるし)言わずと知れた有名人、ねこを髣髴とさせる妙に和む声を持つお方です。
内田真礼さんの演じるミカちゃんはドラえもんで言えば、概ねのび太の役回りですが、時々暴言が出たり、表情が目まぐるしく変わったりするので、見ているだけで面白い、もとい、とてもかわいいキャラです(笑)多分本編中台詞が一番多いひと。
ゼウシくん役の花澤香菜さんは主題歌「おにくじゃぽねすく!」の歌も担当されてますが、この歌もまた強烈。"にくにくしいあなた"って捉え様によってはかなりダークな歌詞? まぁ、"にく"とか"ミート"とか言いたいだけで邪気は無いのでしょう。宣伝効果は未知数ですが…。3期では歌詞が刷新され"にくにくしい"のところは"にくからず"に。妥当な変更ながら割と普通の印象になりました(笑)
全編を通して、イイ加減な設定とか、落ち所の無いお話に唖然としたり、ハイテンポなギャグとか、声優さんの力技とかに圧倒されたり、面白おかしく、したたかに笑えるアニメでした。
ゼウシくんがお肉を食べるシーンなんか共食い? とか少々複雑な気分になってしまうところもありますが、販促アニメと嫌煙するなかれ。細かい事はうっちゃって、無心になって見てみれば、あれよあれよという間にゼウシくんのとりこになっているはず。
続編を希望したいアニメの一つです。