四畳半愛好家 さんの感想・評価
3.2
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.0
音楽 : 4.0
キャラ : 2.5
状態:観終わった
野球アニメではない。終わらせ方も不完全燃焼感が…。
原作が小説であることもあり、この作品は「MAJOR」「ダイヤのA」「おおきく振りかぶって」等の所謂「野球アニメ」を期待して観てはいけない作品だったと思います。
野球アニメを楽しみにしてた多くの方には満足できなかったろうと思います。
基本的には「青春」を描いているものの、清々しい描写も展開もなく、「思春期の子供たちの葛藤」を中心に描いています。正直あんまり登場人物に元気がありません。中学生って生意気な時期ですし、メンタルに波がある時期ではあると思いますが…さすがに違和感を感じるレベル。
中学男子って生意気なのは間違いないけど、馬鹿みたいに明るいところが可愛かったりするのに…皆暗い…。
ただ、心理描写はなかなか丁寧だとは思います。巧の心情とか不器用さは終始うまく描かれてる気がします。(嫌われる系主人公ですが)
でも瑞垣とかの心情はアニメでしっかり描けていたのか謎。
海音寺先輩とかもいいキャラだけど、瑞垣との関係がイマイチ伝わってこない。
門脇と瑞垣のやりとりも関係性も複雑でイマイチ判然としない…。仲良いんだか悪いんだか…。
そして最終回…{netabare}
かなり丁寧に門脇と巧の対決の舞台を描いていたにもかかわらず、対決の結果は最後まで描かれませんでした。多くの人にとっては納得できる終わらり方ではないでしょう。勝敗は視聴者に委ねられました。
勝ったのは巧なのか門脇なのか…。作者は決められなかったのか、あるいは描きたくなかったのか…。「青春」を描くうえで、勝敗は大した問題でもないということなのかも知れませんね…。
でも不完全燃焼感がありますよね。
物語があえて完結させない手法はアニメには不適切かも知れません。
「バッカーノ」なんかの終わらせ方は素敵でしたが…。
{/netabare}
OPはかなり好きでした。本編以上に爽やかな青春って感じのOP。
EDは名曲のカバーで、これも素敵。まあ、原曲には勝てないと思いますが。
総評として、なかなかオススメし難いアニメでした。興味があれば観てみてもいいと思います。