蒼い✨️ さんの感想・評価
4.0
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 5.0
音楽 : 3.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
女は怖いアニメ。
アニメーション制作:スタジオディーン
2016年1月 - 4月に放映された全13話のTVアニメ。
原作は、雲田はるこによる漫画。アニメ1期終了からほどなくして完結したようです。
【概要】
昭和50年代(初頭?)に刑期満了で出所した無邪気なチンピラ強次は、
服役中に刑務所の慰問会で、昭和最後の名人と言われる、
八代目・有楽亭八雲の演じた『死神』に惚れ込んでしまい、
その足で弟子入りに押しかける。
弟子をとらない主義の八雲師匠であったが、
強次に何かを感じ取ったのか入門を許し、強次は通称「与太郎」を授かる。
与太郎、八雲師匠、師匠の養女・小夏の三人暮らしが始まる。
小夏の父親は、天才と謳われて早逝した同門の有楽亭助六。
一人前の落語家を夢見ていた与太郎だったが、
とんでもない不始末をやらかして八雲師匠から破門を言い渡される。
必死に謝る与太郎。師匠は破門を免除する代わりに、
若き日の親友であり小夏の父親でもある助六との果たせなかった約束を、
代わりに自分と成し遂げることを与太郎に誓約させ、
そして自らが歩んだ昭和を与太郎と小夏に語り始めるのだった。
【感想】
落語と言えば明るく楽しい!
寄席を見に行かない人間にとっては落語=『笑点』
これは、日本人の常識でございますね。
まあ、最近の『笑点』では、亡き親の名跡を継いだものの…、
つまらないと毎週言われてる真打ちなんていますが。
1期は八雲師匠の子供時代から菊比古と呼ばれていた青年時代、
そして八代目の八雲を襲名するまでの人生を回顧して、
親友の助六・芸者のみよ吉、彼に深く関わってきた人間たちと歩んだ因果な日々を述懐して、ほぼ終了。
落語の未来云々は2期でやるらしいです。
このアニメは落語と人生と昭和を絡めて、昼メロチックにドロドロした湿っぽい物語でありますが、
落語の扱いに違和感が!落語は落ち目の滅びゆく古典芸能?なんか現実の落語と違う歴史を歩んだようです。
立川談志師匠や先代の林家三平師匠みたいにテレビタレントとして顔を売ったりした落語ブームが無かった?
『笑点』が始まらなかった昭和ということで、史実をなぞらなかったパラレル世界のようですね。
今時のアニメが好みの人にはちょっと毛色が違いすぎる作品ですね。
耽美さや退廃的なもの、人情・悲劇などが欲しい人にはおすすめです。
さて、このアニメのセールスポイントは声優陣でしょね。
山寺宏一や石田彰など話芸を磨いた声優と落語は相性が良いのでしょうかね。
逆に『紅の豚』でピッコロ親父を演じた桂文枝(三枝)師匠なんて本職の声優みたいに抜群に上手かったです。
俳優が吹き替えをしても本職の声優の方が良いと思うことが多々あれど、
声優も落語家も声が命の商売。共通するものがあるのですかも。
落語シーンに演芸シーン。熱演が素晴らしいですね。
八雲師匠のモデルと言われている三遊亭圓生師匠の『死神』なんて聴いてみますと、
このアニメの落語は演技過多かな?と思わないでもないですが、
引き込まれるものがあります。ただ…苦言が一つ。
このアニメのBGMであるジャズ音楽を芸の披露中に被せないでもらいたい。BGMの音量が大きすぎ!
芸に集中したい私にとって本当にBGMとの相性がよろしくありませんでした。
思ったことを並べただけですが、これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。