シャベール大佐 さんの感想・評価
3.4
物語 : 2.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 3.0
状態:観終わった
OPとEDは良作青春アニメっぽい感じ
同名のベストセラー小説を原作にした青春アニメ。ノイタミナ枠で全11話。
原作小説は映画化もしていて存在は知っていましたが、ストーリーなど内容は全く知らない状態で視聴しました。
とりあえずこの作品は野球を題材にしてますが、野球アニメというより、ピッチャーの原田巧とキャッチャーの永倉豪という2人の中学生の関係を描いた作品です。
作中でも野球をしている場面が多いようでいて、実際はキャッチボールあるいは投球練習の場面がほとんど。いちおう試合を描く場面もありますが、観ていても野球の魅力は全く伝わってきませんでした。なんとなく、この原作者は野球のことをあまり好きではないんじゃないかな?と感じて、この感想を書くにあたってwikiを見てみたところ、やはり野球経験もなく、野球の取材も全くせずに執筆したとのこと。作者本人も、この作品はスポーツ小説ではないとしているそうなので、その点については批判しても仕方ないのかもしれません。
では、青春アニメとしての出来はどうかというと、こちらも残念ながら良い印象はありませんでした。まず感じたのは、登場人物の多くが楽しそうではありません。なにか常に不機嫌というかイライラしているという生意気というか、それでいて野球に青春のすべてを懸けているといった爽やかさや青臭い必死さも感じられず、なんだかこんな中学生は嫌だな、と思ってしまいます。主人公は中学生になったばかりの12~13歳の設定ですが、もう少し大人びて15~16歳に見えました。同じように生意気な性格でも、設定年齢相応にもう少しキャラデザや口調などの雰囲気が幼ければ、ちょっとは印象が変わったかもしれません。
ストーリー的には、特に盛り上がる展開もないまま淡々と進み、途中のトラブルなども、なんだか古臭い図式に感じました。最終回もあっけなく終了して、最後はちょっと失笑してしまいました。
作画、音楽は悪くなかったです。特にOPとEDは曲も映像も良くて、そこだけ観たら良作青春アニメだと思えそう。
画面から伝わってくる空気は正統派の青春アニメっぽくて期待できそうな感じがするのに、内容が残念な作品でした。