「君の名は。(アニメ映画)」

総合得点
91.2
感想・評価
2516
棚に入れた
11525
ランキング
39
★★★★★ 4.1 (2516)
物語
4.1
作画
4.5
声優
3.9
音楽
4.2
キャラ
4.0

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ネタバレ

伝説のししとう さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

新海誠初心者が新海作品を語ってみる。

「聲の形」を心待ちにしていた私にとっては、彗星のごとく現れた「君の名は。」
あにこれでも好評レビューが多く投稿され、アニメには全く興味のない私の友人も大絶賛。
ここまで賛美一色だと正直気持ち悪かったです。
なぜこんなにも評価が高いのか、自分のを眼で確かめてきたわけですが、私はひねくれ者ですので、大多数の人が賞賛しているものは、つい批判したくなってしまいます。
しかし、本作品には参りました。私の完敗です……


視聴前……そもそも新海誠って誰やねん?
というわけで、「君の名は。」の予習として、同監督の「言の葉の庭」を視聴。(こちらの感想はまた後日書きます)
「言の葉の庭」を観て感じたことは、
①絵が美しいということと、②叙情的に魅せるシーンが多かったことです。
特に②が重要で、物語性で魅せるわけではなく、リアル感溢れる絵であったり、音楽であったりと、視聴者の感性に任せているところが多く、それに共感できるか否かでこの作品の評価が決まります。そのため、万人受けではないと言われているのでしょう。
作品に対して物語性を求める私としては、せっかく絵が美しいのに、脚本がもっとしっかりしたものであればなーと思ってしまうわけです。

本作「君の名は。」はそんな私の希望を見事に実現させた傑作だと、感じています。
細部までこだわった美しい作画は健在でしたが、何よりもストーリーに驚かされました。
まだ観ていない方は、是非映画館でご覧になってください。必見です。

以下ネタバレ感想
{netabare}まず、開始1分程で流れたOP。映画は出だしが重要とよく言われますが、掴みとしては完璧だったのではないでしょうか。
本作品ではRADWIMPSの曲が、非常に効果的に使われていました。歌詞もストーリーとリンクしていて、音楽が作品全体の完成度を高める上で、どれだけ重要なものであるかを改めて感じさせられました。

そして、瀧と三葉が入れ替わるシーン、ここが本当に素晴らしかったですね。キャラクターの動作だけで、中身が瀧なのか三葉なのかわかるのは流石。
瀧が三葉の胸を揉むシーンもリアリティがあって良かったですね〜
神木隆之介さんと上白石萌音さんの演技が素晴らしくて、俳優さんなのに声に何の違和感も感じさせなかったのはすごいですね。

そしてストーリー中盤で明かされる衝撃の事実。
まさか3年も時間がズレていたとは!
隕石が墜落して町が崩壊!三葉が死んでいるだと!
ここから怒涛のごとく物語が動き始めます。
序盤にばら撒いた伏線を回収しつつ、片割れ時で出会う瀧と三葉。そしてそれが唐突に終わってしまうのがまた観てて悲しくて、美しい映像も重なって、私は完全に新海ワールドに飲み込まれてしまいました。
三葉が瀧の名前を忘れてしまうのが切なくて、でも、記憶は失われても、感情は失われないんですよね。

三葉が町長(父親)をどう説得したのかを描いていれば、本作品の評価はもっと上がるのかなと感じていますが、私はこれで良かったと思っています。
もしかしたら、三葉の父親は過去に双葉(三葉の母親)との入れ替わりを経験していて、三葉の説得によって、その記憶が蘇ったのかなーなんて想像することもできますね。
そして、それを想像できる伏線(今回の場合だと、お婆ちゃんが過去に入れ替わりを経験していることや、父親の「救えなかった…」という台詞)が、しっかりと張られているので、ここについては説明不足ではなく、想像の余地を残したと捉える方が自然でしょう。
こういった考察ができる作品は良いですね〜

ラストは長い時を経て、2人が出会って終わるハッピーエンド。新海作品初心者の私としては大満足の締めだったのですが、過去作に思い入れが深い人ほど、何か物足りなさを感じてしまうのかなと思います。

後、作中「言の葉の庭」の先生が登場していたのは、予習した私へのご褒美というか、ちょっとしたサプライズで嬉しかったですね。


それから、3年もズレているのに瀧と三葉が気づかないことや、隕石が墜落した場所を瀧が覚えていないのを、本作品の欠点ーご都合主義ーだと捉える人もいるようですが、私はそう思いません。
私に言わせれば、3年のズレだって普通は気づかないと思うし、隕石が墜落した場所だって、人間自分の生活に関係のない記憶なんてすぐ忘れてしまうもの。当時瀧が中学生だったことを考えると、それこそリアリティがあったように思います。
本作品の主人公とヒロインは、あくまでも高校生であることを忘れてはなりません。しかも入れ替わりという信じられない体験をしている高校生ですよ。そこに、冷静な大人目線で突っ込みをいれるのは、的外れな指摘だと感じます。
そこを叩いて、本作品は駄作などと言っている輩がいるのは残念ですね。{/netabare}


本当に、笑いあり、涙あり(泣いてません)の素晴らしい作品でした。視聴して一週間以上が経った今でも、余韻に浸っています。
2回目の視聴については検討中です。

今や日本にとって、アニメは諸外国に誇れる立派な文化ですが、国内での地位はあまり高くないように思います。
本作品を通して、アニメの凄さを知ってもらい、アニメに興味を持つ方が少しでも増えてくれることを願うばかりです。

投稿 : 2016/09/22
閲覧 : 301
サンキュー:

62

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