dakiramk3 さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.0
作画 : 4.5
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
たった一言のセリフが要らなかった
物語としては、不条理というかなんというか、『忘却の旋律(最後まで観てない)』とか『ウテナ(一度も観たことがない)』的なセンスを感じると思ったら、スタッフが色々被っているらしいと聞いて納得……できるのかこれ。
学園内でしかも確か島の中という閉鎖された、言わばお祭り騒ぎの中で、あれこれ恋をしたりロボットで戦ったりと、広い意味での青春を謳歌している姿が、普段はそういうモノに対して、自分の経験からややシニカルに見がちな自分でも、そのパワーに飲み込まれて、彼らを応援したくなってしまったりもしたが……それら全てがラスト付近のボスの一言によって瓦解した。
『何が綺羅星だよばかばかしい』
綺羅星っ☆
が、ばかばかしいことくらい分かってる。でも最終話付近になったら、それがお約束となっていて、もはや出ない回が寂しくなっている始末だった。そのポーズと一緒に、先述の、閉鎖された、限られた青春時代という時間の中でのお祭り騒ぎの象徴だというのも分かっていた。今まで幹部連中がなんのてらいも無く綺羅星してたもんだから、てっきり彼らの間ではなんの迷いもなく受け入れているのだと思っていた。
だからって、良い気分に浸っていた最中に、率先して敵のボスがぶちこわして現実に強制的に帰還させるような言葉を吐くことはないじゃないか。これはそういう作品じゃ無いはずだし、だったら最初っからロボットで戦ってないでボクシングでもなんでもやっていれば良かったじゃないか……
かくしてその一言は、浮かれていた俺の心さえも冷やしてしまい、この作品の唯一の疵として記憶されることになったのでした。