こた さんの感想・評価
4.3
物語 : 4.5
作画 : 3.5
声優 : 4.5
音楽 : 4.5
キャラ : 4.5
状態:観終わった
引きこもりの期間が案外良い人生経験になっていることもあるのかもしれない。
まあ主人公は余計なことに思考を張り巡らせすぎだよね。
それと声優の演技が上手い。悲壮感が漂うというか。
ヒロインの中原岬って子はすごく不思議な子だった。でもやっぱり過去が関係してた。この子のしたいことは最終的にはよく分かったかな。
引きこもりだった頃の経験が、後の人生で生きて成功を収めるって事例もけっこうある話。勿論、本当の引きこもりになんてなってしまったら、先の見えない絶望感を味わい続けると思うけれど。
この作品で度々使われてたフレーズ、「時間は腐るほどあるから」。
だから自分を見つめ過ぎちゃう。余計に悲観的になってしまう。その悪循環。
お金がなくて餓死しそうになって、やっとバイトを探し始めだす。本当にどうしようもない。アルバイトくらいでなら働けるのに、親の仕送りだけにすがって引きこもりをやっている。
これは見下されても仕方ないと思う。作中でもそれは本人が一番わかっていた。
けれど人生捨てるほどじゃない。
「一か月前まで引きこもりのニートをやっていたんですけどね…」
そんなことを言いつつも、目の前で汗水垂らして働いている人間を見て可哀相な人間だとはあまり思わない。理由付けていつまでも仕事に就こうとせず、行動すら起こさない人間を、世間は心の底から憐みの目で見るんだと思う。
本人も、引きこもりやっている時よりもだいぶ心が楽であったりする。
人生ってこんなに単純なんだと、実感する。
これって引きこもりとか挫折とか経験しないと気づかないことだと思う。
仕事がクビになったから、人間関係が嫌だから死のうかなって考える人って、複雑に考えすぎているんだと思う。
今の世の中って時間のゆとりが本当にないってつくづく思う。追われて追われて…。
でも、引き籠りかニートの選択肢しかなくなるから、秀でた才能がなければ地道に勉強して、就職して、コマのように働いて、出世して……そうやって世の中廻ってるんだなと思う。
なかなか考えさせられる作品でした。